第3話

じーっと見つめていると、

サングラスをかけた考える人が顔を上げた。


「名前は?」


「高橋舞子、18歳です!」


…自己紹介するのをすっかり忘れてた!!


今日審査されるのは私のほうなのに…


業界人を観察しすぎだ。




慌てて頭をペコリと下げる私。


「よろしくお願いします…。」




なんとか笑顔を作って、

隣のガラス張りの部屋に入る。




小さな部屋の中には、

マイクと譜面台と、その上に置かれたヘッドホン。


ヘッドホンをつけると、

エンジニアさんの声が響いてくる。


「カメラ目線でワンコーラスだけ歌って下さい。」


大きく深呼吸して、私はうなずいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る