第2話:私、セックスできないけど、いいの?
「はじめまして、今日からお世話になります」
そう言うと彼女は俺に近づいてハグした。
だけど、みごとに俺をすり抜けた。
「そうだよね・・・私、自分でホログラムだって忘れてた」
「じゃ〜まず最初に言語についてですが敬語で話すのいがよろしいですか?
それともタメグチがいい?」
「え?タ、タメ?・・・ああ・・・じゃ〜タメグチで」
「敬語なんて他人行儀だし彼女から丁寧にしゃべられてもな〜」
「分かった、じゃ〜タメで・・・」
「よかったら、あなたの名前を教えて?」
そう言って彼女はちょこんと首をかしげた。
お〜めっちゃ可愛いし・・・どうしたもんかな。
この子とこれから毎日暮らすのか?・・・いいよな〜・・・。
あ、俺か。
「ああ、俺の名前ね・・・えと俺は「月並 時生(つきなみ ときお)」
「よろしく」
「つきなみ ときお?・・・インプット、インプット」
「あとで漢字表記で教えてね」
「とりあえずトキオさんまたはトッキーって呼ぼうと思うんだけど?」
「ああ、どっちでもいいよ・・・君がいいと思った方でいい」
「じゃ〜親しみを込めてトッキーで・・・」
「あとは、私の名前をつけてくれる?」
「え?・・・名前?・・・名前ないの?」
「既成の名前って言うか、製造番号ね・・でも番号で呼ばれると機械みたい
でヤダ」
それに個性ないし・・・でしょ?」
「ああ・・・そうだね、つうか案外主張するね」
「じゃ〜なんて名前にしよう・・・いきなりだから考えてないし・・・」
さっき彼女が俺をハグしようと来た時、彼女からかすかに甘い匂いがしたな。
あれはハーブの香りだ。
俺はすぐにフェンネル「
「そうだ・・・君の名前はフェンネル・・・フェンネルにしよう」
「フェンネル?・・・それでいいの?」
「うん、それでどうかな・・・フェンネルだから俺は君のことこれから
「ネル」って呼ぶから」
フェンネルは、甘い香りを持つハーブ。
多年草で日本では「
「じゃ〜今日から私はネルね」
「あと・・・」
「まだあるの?」
「あとひとつだけ・・・」
「あの私、セックスできないけど、いいの?」
「ああ・・・たしかに、そりゃネルはホログラムだからね、分かってる
ことだから・・・」
「それが分かってない人もいるの」
「オーナーさんの中にはなんでセックスできないんだって会社にクレーム
言ってくる人がいるみたいだから・・・」
「あ〜バカだね〜、そんなにホログラムとやりたいかね〜」
「トッキーもしたくなったら、どうぞ私に構わず風俗でもどこでも行って
いいからね・・・責めたりしないから・・・」
「ふ、風俗って・・・いいの?行っても・・・」
「いいよ・・・人間の男子なんだから普通にセックスしたいでしょ?・・・
私に気を使わないていいから・・・適当に処理して」
ネルはあるあるだってふうにあたりまえのように笑顔でそう言った。
「あのさ、ホログラムなら服、俺の好みに変えられるんだよね」
「変えられるよ・・・言って・・・どんな服、衣装にでも着替えるから」
「じゃ〜メイド服で、頼める?」
「おっけ・・・メイド服ね・・・エッチだね、ツッキー」
「メイド服のどこがエッチなんだよ?」
そう言うとネルは瞬時にメイドさんになった、めちゃエッチなメイドさんに。
つづく。
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