祈りの柱:呼吸が繋ぐ天と地の叡智
まさか からだ
第1話 霧の中の声
目の前に広がるのは濃い霧。音もなく、時間すら停止しているかのような静寂の中、僕は立ち尽くしていた。
ここはどこだろう? 目を覚ますと、いつもの見慣れた天井ではなく、白く霞む世界が広がっていた。足元には冷たい石畳が続き、遠くにぼんやりと光る何かが見える。
「……そこにいるのか?」
声が聞こえた。低く、けれど柔らかな響きを持つ声だ。
「君が……新たな柱となる者か?」
振り返っても誰もいない。だが、声は確かに耳に届く。意味を尋ねようとするが、口が動かない。代わりに心がざわめく――なぜか、僕はこの場所に招かれたのだと確信していた。
「お前が選ばれた。深く息を吸い、すべてを感じ取れ。お前自身の『気柱』を見つけるのだ……」
その瞬間、足元から青白い光が湧き上がった。それは細い糸のように天へと伸び、やがて僕の身体を包み込む。そして――すべてが暗転した。
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