老いてもナース（改訂版）

ナースのテイクアウト

　家族が具合が悪い時は、母が熱や脈や血圧を測り、Ｍｙ聴診器で胸の音を聞き、あちこち見たり押したり、ひと通り診て、病院に連れて行くかどうかを判断していた。

　私が小学生の頃、母が勤めていたのは個人病院だった。一度診察してもらい、薬がなくなると母が持って帰ってきてくれた。

　当時はよくあることだったので、深く考えたことはなかった。

　だがある時、私は病院で点滴をしてもらい、翌日も続けた方がいいということになったのか、母が点滴をお持ち帰りしてきた！

　いわば、自分の家に訪問看護？ 家の鴨居に点滴をぶら下げて、私は部屋の隅っこに寝かされ、ぽたぽた落ちる点滴を見ながら、子ども心にも「これは普通じゃないよな……」と感じていた。

　ナースは点滴もテイクアウトする。