第22話 決意 4

 「愚かだ、あなた方は。まったく奴らは良い人選をする・・・」カイバルがつぶやく。さも残念そうに・・・。


「失うとなると惜しいですが、敵となるのなら容赦は出来ません」



手を放された。



 突如マオはカイバルに飛び掛かる。回し蹴りで奴の護衛をなぎ倒し、カイバルに肉薄した。



 だが一歩届かない。止めたのはキハラだった。カイバルの首筋を狙ったマオの蹴りは奴の右手で防がれた。そしてその隙に護衛達がマオを取り押さえる。


一方の俺は動く暇もなく、バルマンに押さえつけられた。


「殺すと次が来ます。地下に入れておきなさい」




俺たちは取り押さえられ、連行される。わかりきった結末だ。悔しいが当然の事だとも思う。だが俺の思いはすぐに吹き飛ばされた。




「諦めないで、時が来れば運命が導きます」




かすかなつぶやき声、声の主はバルマンであった。


つづく

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