第2話 ヤズィーディーYazidi ~孔雀天使マラク・ターウス~

ヤズィーディーはイラク北部に住むクルド人の宗教です。


これは「かつてイラク北部」に書き換わりました。


2014年8月、イスラム過激組織 IS により 「虐殺」されました。


現在はドイツなど欧州で難民生活を強いられているようです。


大変胸の痛む話ではありますが、今は宗教にスポットを当てましょう。


ヤズィーディー教徒が崇拝するのは孔雀天使マラク・ターウス。


天使 とあるように、マラク・ターウスは唯一神ではありません。マラク・ターウスを創造した神は存在しているようです。創造神が第一日目に作ったとされるのがマラク・ターウスです。


創造の神がいるはずなのですが、調べた限り詳細は分かりませんでした。ただ、造物主ではなく、その使いであるはずの天使と、太陽を信仰するという不思議な宗教です。なお、太陽崇拝は古代のミトラ教の影響があるようです。イスラム教から分かれたとされますが、後述するようなマラク・ターウスの成り立ちゆえに邪教とみなされています。


敵の敵は味方なのか、政治的にはアメリカなどのキリスト教圏に近づいています。


ヤズィーディー教徒同士の結婚のみが認められ、その子供だけがヤズィーディー教徒になれる、閉鎖的な宗教です。


さて、マラク・ターウスについて。


上記のように、「天使」として「造られた」存在です。であるのですが、創造神を差し置いて信仰の対象になっています。


独自の経典、『ジャルワとルーシュの書』にはそのあたりが書かれているのかも知れませんね。残念ながら私は読んだことがないのですが…。


マラク・ターウスはキリスト教におけるサタン、イスラム教におけるシャイターンのような立ち回りをします。


それ故に「邪教」の烙印を押されるのです。


参考

羽仁礼

図解 近代魔術 F‐Files

新紀元社

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