SHE HAD BEEN CELEBRATED
「ルイーザ君、就任おめでとう。いやはや、レアンドロの娘がもう悪魔祓いの任に就くことになるとは。月日が経つのは早いものだな」
「光栄です。カルローネ教授」
任命式が終わると、基礎戦闘術担当の教授カルローネ・フォルティナートが拍手と共に歩み寄ってきた。ルイーザの父フランテ・レアンドロの同級生である彼は今年で52歳になるはずだが、見た目や雰囲気は非常に若々しく、言われなければとても年齢がそうだとは分からない。レアンドロとは旧知の仲であり、ルイーザの所属寮であるトルチャ寮の寮長も務めていることから、彼はルイーザのこともよく気にかけてくれている。
「彼は優秀な悪魔祓いだったからね。あの事件以来引退してしまったのは本当に残念だが、その娘とこうして同胞になれるとはね。長生きはしてみるものだ」
そうしみじみと語るフォルティナート。
フランテ・レアンドロ。当時学生にして、強大な悪魔、
「お主で長生きなら儂はなんじゃ?
ルイーザと教授の会話を聞いていたのだろう。すれ違いざまに校長ヴェルディ・サテリーノが横槍を入れてきた。齢100にして、未だ現役の悪魔祓いでもある大魔法使いだ。
「おやおや、ヴェルディ校長。これは失敬。しかしながら、
悪びれもせずにおどけて言ってみせるフォルティナート。
「ゾンビでもどのみち死んどるではないか。そんなに儂に死んでほしいのか?」
「言い出しっぺは校長ではありませんか」
「さて、そうじゃったかな? 最近歳で物忘れが酷くてのう。よう覚えとらんわい」
しばらくたわいのない話を続けたのち、校長は
「まったく。相変わらず掴み所のない御仁だ」
「カルローネ教授も大概だと私は思いますよ」
「ははは、手厳しいね。ルイーザ君は。少し浮かない表情だったから心配だったけど、その様子なら大丈夫そうだね」
見透かされていた気恥ずかしさからか、目を逸らすルイーザ。そんな彼女の様子を見てフォルティナートは目を細める。
「おっと。悪魔祓いに就任したとはいえ、授業はちゃんと受けてもらうからね。ルームメイトと夜な夜なパーティして、明日の私の授業で居眠りとかは勘弁してくれよ」
最後にこう軽口を叩き、フォルティナートは
そんな彼を見送ると、緊張の糸が解けたルイーザの肩に、一気に疲労がのしかかってきた。彼女も後を追うように、懐からその車輪の杖を取り出し、
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