第13話 激闘?福引会場?(9) ケツの呼吸! 一ノ型!
そう……中央でお登勢とヨシ子の体がピタリと引っ付いた時……
同じくステージの中央へとたどり着いたオッサンたちは、次々と垂直に立ち上げられたセレスティーノの腰肌へと飛びついた。
それはまるで、バナナで火照った体を冷やすかのようにピッタリと。
そして、ズボンのファスナーの間にできた隙間に爪を立て、徐々に徐々にとズボンをよじくり始めたのだ。
下がりゆくセレスティーノのズボンとパンツ……
だが、そんなことステージの上で備えるお登勢たちも想定内である。
しかし……オッサン達のズボンの窓からは待ちきれないバナナたちが次々と大きな白玉を投げ落としはじめたのだ。
今にも体内から飛び出そうとする白玉はバナナに張り付いた皮にぶつかり、さらにはその下から登りくる別の白玉を巻き込みながら落下していく。
運よくセレスティーノへとたどり着いた白玉もいたが、穴の脇に控える別のバナナたちによってすかさず掻きだされる。
これこそ! なんと生存競争!
でもって、こちらが南斗
そして、定番の! 北斗シイタケ‼ おいしいぞ!
ヒョォォォ! ホワタァ!
アタたたたたたたた!
ピタリと引っ付くお登勢とヨシ子の体からは、目に見えない無数の斬撃が放たれていたのだ!
残影すらも残さぬ無数の手刀の数々がセレスティーノの頭を挟んで激しく応酬しあっていた。
傍からみると全く動いていないように見える二人。
だがしかし、その巻き起こされる拳圧はすさまじい!
ついには近寄るオッサン達のズボンとパンツを切り裂みはじめたのである!
そして当然に……セレスティーノのズボンとパンツも……。
いまや、そんな細切れにされた布切れたちが、まるでタカトの頭から吹き上がったフケのようにステージの上空からヒラヒラと舞い落ちていた。
あっ……それに混じって数本の血まみれのバナナも……
それはまさに……レッドバナナ……
「意外に味は普通だな……」
モグモグと口を動かすタカトは、口にほおばるレッドバナナに舌鼓を打った。
って、お前……それは……
「でしょwww」
だが、それを聞くビン子もまた、赤いバナナのとん先をピンクの唇にそっと押し当てて、すぼめた口の中へとゆっくりと押し込んでいくのである。
恍惚とする女の表情……
まさに飢えたメスの表情である……
おえっ……
確かに黄色いバナナになれている作者のような一般ピーポーからすると、赤いバナナの見てくれは少々グロテスクと言えばグロテスク。
しかし、何事も見た目で判断してはダメなのだ!
一皮むけば、あらビックリ!
味はイエローモンキー! いや、イエローバナナとほぼ同じなのである!
そんなビン子の手には、まだ何本かの赤いバナナがしっかりと握りしめられていた。
しかし、天から赤いバナナが降ってくるとは……まさに、これこそミステリー!
って、そんなわけはありません!
そう、ガラポンのテントからココに来るまでの道上には、赤いバナナがいたるところに投げ捨てられていたのである。
だから今でもホラ! ポイっとね!
黒い中折れ帽をまぶかにかぶる次元ダイスケお兄さんが肩越しにバナナを投げ捨てていた。
「こんなものいるかよ! ちぇっ!」
ハイ! キャッチ!
ビン子はまたもや飛んでくる赤いバナナを飢えたメスヒョウのような素早い動きでキャッチした!
そう、赤いバナナはガラポンのハズレだったのだ!
ハズレである金玉を出した次元ダイスケお兄さんはしょんぼり……
巨乳のメルアの前で張り切って白玉をドピュッと出すつもりだったのだ……
それなのに……バナナを出してしまうとは……しかもこともあろうか皮かぶり……
――俺が持っているのはコンバットマグナムなのに……
プッと噴き出すメルア。
だって仕方ない……
数の多い4等の赤玉よりも外れである金玉を出す方が難しいのである。
目の前でそんな金玉をクールに恰好をつけながらポロリと出されたのだ。
メルアでなくともこれを笑わずにはいられない。
だが、そんな微笑みは次元ダイスケお兄さんの心を、まるで地雷で吹っ飛ばすかのように木っ端みじんに砕いた!
ドーン!
もう、イタリアのCMもビックリしてしまいそうなオチである。
一方、ビン子は投げ捨てられるバナナを今晩のオカズにするべくひたすらキャッチし続けていたのであった。
だって、貧乏な権蔵一家、ビン子たちは常に飢えていた。
そうそう腹いっぱいにメシなど食べられない……
でも、今はバナナがいっぱい降ってくるのだ♪
――これで2・3日は食べるものに困らないわwww
恍惚な表情を浮かべるビン子は神様に感謝する。
――赤いバナナ! ありがとうございま~す♥
って、神様はビン子ちゃんだったかwww忘れてたwww
「でも、ビン子……これやっぱり、いつも食ってる電気ネズミの肉より硬いよな……」
「えっ? 硬い?」
ビン子は一瞬、タカトが何を言っているのか分からなかった。
レッドバナナはバナナである。
だれが何といってもバナナである!
だから、普通のバナナと同じく、その果『肉』はしっとりとしているのだ。
あのピカピカしちゅゥ~と電気刺激が発生するような硬い電気ネズミの肉と比べようがない。というか、比べること自体がおかしいのである。
だが、タカトはそんな肉と平然と比較した……
チラリと見たビン子はハッと気が付いた。
――まぁ、いいかぁwwwおなじ『肉』だしwww タカトだったらきっとお腹も壊さないわよ!(汗)
一体ビン子は何を見たのだろう……もはや作者にも分からない……だって、すでにタカトの口の中には現物が無いのである……もはやこれこそミステリーwww
だが、もっとミステリーなのはステージの上であった。
ステージ下から眺めるおばさま達からは、下半身むき出しのオッサン達はただ単に倒れ次々とその肉を積みあげているように見えていた。
だが、その視点を上空へと移してみると……
なんと言うことでしょう!
匠達のケツによって、あれだけ殺風景だったステージに美しい一つの円が描かれているではありませんか!
アメージングぅぅぅ!
これこそ、まさにミステリー! ミステリーサークル‼
そう、無秩序に倒れているとばかりかと思っていたオッサンたちのケツは、今やお登勢たちを取り囲むかのように規則正しく並び大きな円を描いていたのである。
その円の中心でお登勢が、まるで儀式でも始めるかのように啖呵を切った。
「ステージは整った! いつ何時、誰の挑戦でも受けてやる! さぁ来い! ヨシ子!」
受けて立つヨシ子もまた気勢を上げる。
「もうババァ、お登勢の時代じゃないぞ! 鶴屋、綾波、そして俺たちの若い世代の時代だぁぁぁぁ」
って、鶴屋、綾波って誰のことだよ!
というか、お前は鶴屋や、綾波みたいに美少女じゃないだろうが!
どちらかと言うと長州力?
そんな二人がパッとステージの両脇に飛びはなれると、先ほどまで乳に挟まれていたセレスティーノのご尊顔が地に落ちた。
ボてっ……いてっ!
今や、ステージに顔をうずめてケツを突きあげるセレスティーノ様のお体!
この姿はもしかして!
お話しの場面がアイスダンスショーのステージに移った時にしていたというセレスティーノのポーズなのであろうか?
これがどっこいwwwまだ違うのだwww
だって、まだセレスティーノ様は、すっぽんぽんではないのだよwww
確かにズボンとパンツは失ってはいる。だが、その上半身には神民学校の制服を身にまとっていたのだ。
って、このネタ、まだ続くのかよwww
いやいやwww これからが本番! 本番ですよwww
元気があれば何でもできる!
このネタを書けばどうなるものか……危ぶむなかれ。
危ぶめばギャグはなし。
踏み出せばその一足が笑みとなる。
迷わず行けよ。
行けばわかるさ。
行くぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
1!
2!
3!
だあぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁ!!
ステージの脇で突き上げられるお登勢とヨシ子の拳!
その拳を合図にするかのように、ステージの真上から円盤状の分厚い氷が落ちて来た。
それはオッサンたちが作るミステリーサークルよりも一回り大きい。
そんなどデカい氷の塊がオッサンたちの上にドカンと落ちて来たのだ。
当然にその重みでつぶれるオッサンたちのケツ。
そして、その輪の中心にいるセレスティーノもブチっという音を立てていた……
えっ? 何? この氷はどこから降ってきたんだって?
これこそ先ほどまで匠のオッサンたちが作っていた舞台装置なのだ!
アンビリバボォ~♪
というか、セレスティーノ様……この氷の塊に潰されましたよね……
プチっという音をたててましたよね……
確か騎士は不死じゃなかったんですか?
アンビリバボォ……
今やステージの上には、さらに一段高くなった氷のお立ち台ができていた。
それはまるでバブル期に一世を風靡したディスコステージのように、少々溶け出した氷の表面が太陽の光をきらびやかにまき散らすのだ。
だが、そんな華やかなお立ち台の下へと目を向けると、一変して地獄の風景へと変わっていた。
そう、それは……
かのキン肉マンが悪魔将軍と戦ったといわれる死闘のリング。
あまたの正義超人たちが己が体で支えたという地獄のリング!
そのリングと同様に、このお立ち台の底もまたオッサンたちのケツによって支えられていたのである。
先ほどまでバナナを大きく膨らませていたオッサンたち!
すでにバナナの果肉は失っているとはいえ、その熱き思いは煮えたぎる!
さすがは舞台装置を作った匠たち! 恒温動物である!
そんな熱を帯びたケツと極寒の低温とがケツの皮一枚を挟んでせめぎあっていた!
だが、いかに日ごろからオッサンたちのケツが互いのバナナによって鍛えあっていたとしても、所詮はヒト! イエローモンキーのケツなのだ!
いまやケツを覆いつくす脂肪の肉がイエローからホワイトに徐々に変わりつつあった。
この氷の塊、その表面は溶けだしているとはいえ、本体のそのものの温度はまだ低い。
おそらくマイナス20度を下回っていると思われる……
そんな低温に密着し続けているオッサンたちのケツが次第に凍傷を発症し始めたとしてもおかしくはなかった。
しかし、小刻みに震え続けるケツどもは、一向に氷から離れようとしないのだ。
それどころか、さらにケツの筋肉に力を込めて、氷のお立ち台を一段高く突き上げるのである。
それはまさに、死闘のリングを支える正義超人の志!
いや、匠としての責任感、使命感と言っても過言ではないだろう。
今、ココで自分たちが逃げ出したりすれば、この世界はケツ柱という支えを失ってしまうのだ。
チン柱を失った上にケツ柱まで失えば……これからどうやって鬼と戦えばいいのであろうか……
そんな匠たちは大きく息を吸い込むと皆で一斉に呼吸をそろえる……
「「「「ケツの呼吸! 一ノ型!
ぶひぃぃいぃ!
20の穴から噴出す大放屁!
くせぇぇぇぇぇえぇ!
ステージ上から垂れ落ちる黄色い呼吸に観客たちは一斉に鼻をつまみ顔をゆがめた。
だが、それと時を同じくするかのように噴き出された黄色い圧力は、お立ち台の底を一瞬わずかに持ち上げたのである。
そんなわずかな時間!
お立ち台の下にできた空間から魔血ユニットの甲高い音が鳴り響いた!
「開血解放ぉぉぉぉ!」
轟音とともに砕け散る氷の底!
だが、その勢いは鋭利な刃物のように鋭い。
例えていうならばパイナップルの芯をくりぬくかのように、氷の中心だけを円柱状にくりぬいいていたのであった。
ステージの上から見ると、まるでワカサギでも釣れそうな穴。
そんな穴から、黒いキツネの魔装騎兵がゆっくりとお立ち台の上へと這い上ってきた。
だが、先ほどから仮面の下からブチプチという何かが切れる音がする。
もしかして……これは、セレスティーノ様の血管が切れる音?
騎士に対する非礼の数々……まぁ、頭に来ていたとしても当然である。
しかし……その実は……
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