閻魔の秘書
@otomo_jingo
序章 素描
閻魔‣漆黒は、この地獄の星を現世と呼ばせ、自らが選抜した十三人の秘書達と共に管理している。
ここに投獄されている人間達は、自分が今、生かされている場所の本質に、あえて気付こうとしない。
この獄につながれている者達は、毎年・毎月・毎日、絶え間なく、自らを責め苛む様々な変事から、逃げる事は出来ない。
周りを見渡せば、無数に煌めく幸せの泡風船、捕まえたと思えば消えゆく、その繰り返し。
翻って現実は、尽きる事のない個々の欲望、それに起因する争い、そして殺し合い。
人類は、あらゆる種類の犯罪を発現させ、それは日々無数に目前で起きる。
そして、その数だけ、生まれる犠牲者。
更に、これもまた多岐にわたる膨大な数の事故。
車・船・飛行機・大型機械、人間は自らを、攻撃するのが目的であるかの如く、幾多の危険物を造り続ける。
罪人達の発想は、自分に直接影響が及ばなければ、それは良しなのだ。
だが、ここに暮らす者たちを待ち受ける罰は、それにとどまらない。
ハリケーン・地震・津波・大寒波・竜巻・山火事、絶え間なく襲い来る自然災害、足りなければパンデミックの恐怖もある。
しかし、何と言っても最大の災厄は、人類自身が引き起こす戦争だ。
人間の死亡原因で、他を圧倒するのが、人類自らの手によるものである。
瞬時に、そして大量に、人を殺す研究だけは、永遠にやめられぬ。
そしてこの戦争というやつは、人類が太古の昔に始め、遠い将来人間が一人になるまで、止む事はない。
敵ではないか、そう思える人間を殺し続ける時にこそ、得られる安心感。
ここに囚われている罪人達は、生を受けてから死ぬまで、日毎に責め苦に逢いながらも、自分が今立っている場所の正体から目を背け続ける。
今から記す物語は、この現世という地獄で、閻魔・漆黒に仕える、秘書イーゼルと、その部下であるサブ達にまつわる話である。
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