　このパンは鍛冶屋が仕事の合間にハンマーと炉を使って焼いたパン……という逸話のあるパンだ。

　実際に炉はまだしもハンマーでパンを作るのは健康上危ないので真似しないように。

　とはいえ、この薄い円形のパンは、パンの原型に近い無発酵パンで、昔の鍛冶屋が仕事の合間に焼いて、手軽に食べていたことは想像し難くない。

　今回は、ヨーグルトとハーブミックスを加えた少しリッチ目のハンマーパンを焼いてみよう。

　また、このパンは所謂日常パンなので、冬場に鍋料理や煮込み料理に合わせると喜ばれるだろう。

・ボウルに中力粉、膨らし粉、塩、ハーブミックスを加えてよく混ぜる。このパンは発酵させないので、酵母の類は入れなくていい。

・この混合粉の中に、ヨーグルトと香りの高い油を入れ、さらによく混ぜる。多少生地が荒く見えるかもしれないが、それも味である。

・この生地を、混ぜるから捏ねるに変えて、均一になるよう、台にたたきつけるような感じで捏ねる。ただし、今の世の中で名前の通りにハンマーを使って捏ねないように。

・20分ほど生地を寝かせて、切り分け薄く円状に生地を伸ばす。

・焦げ目が多少ついても構わない。焼き目が強くつくまで焼く。これで表面の香ばしさが出る。

・温かいうちに頂く。前に紹介した、ギオステリやトリップと共に頂くと最高である。

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