第58話

小説・雨音に新人小説大賞が発表された。

今回、泉野の小説、遊歩道は大賞にノミネートされていた。

そしていよいよ大賞が決定したのである。

「間違いない!」

さくら荘の台所に、全員と菜々緒が集まっていた。

テーブルに置いているのは小説・雨音である。

「間違いない!145回新人小説大賞、遊歩道、泉野千織!」

「やったー!」

泉野はみんなから頭を叩かれ、暖希と長谷部は抱き合って喜び、心結は瑤と喜び合った。

「良かったね……おめでとう」

菜々緒は涙ぐんでいた。

「菜々緒!苦労かけたな……!」

「泉ちゃん、それ旦那が奥さんに言う台詞!」

暖希が笑いながら言った。

「いや、そうなるでしょう」

長谷部があっさり言った。

泉野と菜々緒はお互いの顔を見つめた。

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