選択。

第1話

 人生は選択の連続だ。


 選択の先に新たな選択があり、その先にまた選択がある。その一つ一つを積み重ねて、僕たちは生きている。


 選択とは、時に残酷なこともある。

 たった一つ間違えるだけで、積み重ねた全てが壊れることもある。

 選択一つで、死ぬこともある。


 全ての選択に正解があり、間違いがある。

 だからこそ、人生は面白い。そう思う人もいるだろう。


 でも、僕はもう疲れてしまった。

 何度も何度も選択を重ね、何度も何度も後悔してきた。


 自分の選択のせいで。自分が、自分で選択してしまったせいで。僕の選択は、間違いだらけだ。


 自分で選ぶから後悔する。

 もし、全て誰かが選んでくれたなら。それは僕のせいではない。その選択をした、のせいだ。


 ……僕は、どこかを歩いている。ただひたすらに、真っ白な空間を歩いている。


 ここはどこなのか。自分は何者なのか。

 生憎、僕にも分からない。


 きっと、僕はそれを見つけなければならない。度重なる選択の先。きっと、何かがあるはずだ。


 目の前には分かれ道がある。


 1つ───“右の道”の先には、ぼんやりと何かが見える。

 1つ───“左の道”の先は、ただひたすらに暗闇。


 僕は、どちらに進めばいいのだろう。

 自分で選ぶことは出来ない。だって、僕はもう自分の選択に後悔したくないから。


 そうだ、試しに選んでみてくれないか?

 大丈夫。間違っても、僕は怒ったりしないから。


 でも───どうか、後悔のないように。



 □■────────────────────■□


“右の道”か、“左の道”か。

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