3 その名も



「陽菜ーー!!」

「浅野さん?毎日毎日来んで?」


「心ちゃん!部活決めた?」

「まだー!てか、この猿誰?」


「猿__」

陽菜が爆笑してる。


「心愛、いくら猿に似てても猿とか言ったらだめだよ。陽菜でもまだ言ってないし、石田くんが可哀想でしょう!」

「君が一番ひどいよ?」

「黙れ。お前に話してない。」

「陽菜こわーい!!」


「石田、______石田ぁ?___うーん。知らないな。」

「え、知り合いじゃないの?」

「え、不審者だよ。てか、なんで私のこと知ってるのこの猿」



ほんとに。なんで私のこと知ってるの?


「え、なに?石田くん心ちゃんのストーカー?ねぇ陽菜、警察通報しちゃう?」

「やっちゃえやっちゃえ。石田いらないよね、颯希ちゃん」

「え、う、ん?」


「え、嫌なんだけど!!よくわかんない人にストーカされるの」

「ストーカーってだいたいそんなものじゃないの?」

「たしかに」


「まあ、石田くん話あるみたいだし、終わったらまた呼んで?」

「愛佳〜〜〜!!!」





「えーっと。なんで私のこと知ってるん、?」

「野球部体験に来たやつならみんな知ってるよ。」

「え?なんで?1回しか行ってないよ。」

「あんな目立てばみんな知ってるよ。」



「そんなことはどうでもいいけど、野球部入んの?」

「いや。どうでも良くないし、目立ってない。けど、決めてない。決めても石田くんには言わない、」




「陸、福島先生呼んでたよ__って___え、浅野、さん、。」


「おす。凜あざっす」

「月島、!もう部活入った?」

「うん。野球に入った。まだ体験期間だからやってることは体験と一緒だけどね。」


「そっか〜。私未だに悩んでるんだよね〜」

「___じゃあ、いっそのこと一緒に野球はいる?」

「あれ、誘ってる?月島が、!めずらしい、!」

「え、いや、あの、その、」


あれれ。頬が赤いよ。熱?


「____月島、熱ある?顔赤いよ」


おでこに手を当ててみても熱はない。


「うーん。お大事にね?」



「あ、野球部、考えてみるね。あと3日あるし」





凜side_________



すごい失言した。かも


へなへなと廊下にしゃがみ込むことになるとは、思わなかった。



「いやぁ____心愛___ありゃないわ____」

「月島くん可哀想____」

「心ちゃん___人たらし____」



「うわっ_____!」



えっと、浅野さんの友達で、壁に寄りかかってる。

右から、山口さん、武田さん、澤田さん。



「あ、ごめん、ね、__?見てた、し、聞いてた_____」


えっ、_______


「どこ、から、?」


「えっと___月島くんが石田くん呼びに来たあたり、」

「最初から、_______か____」



はぁ_____。




「知ってたの、?」


「月島くんが心愛のこと好き、なのは、知ってた___」

「いや、流石に心ちゃんがあんなに人たらしなのは知らなかったよ」

「ごめんね。月島くん。心愛のせいで」

「いやぁ月島くんも大変、だね。」



「あはは、まあでも大変は大変だけど、振り向いてほしいって気持ちが強くて。アピールしてるつもりなのに浅野さん気づいてくれないんだもん。参っちゃうよね_。」いつも振り回されてるんだけど。それすら楽しくて、でもこれ以上の関係になりたいって思いもあって。でも、気持ちを伝えたら今の関係が壊れるんじゃないのか、とか、もね____。考えちゃって。



「心ちゃんも幸せ、だね。」


「心愛が野球部に入れば一緒にいれる時間長くなるもんね」


澤田さんは人のことをよく見てる、のかな。魂胆が暴かれてめっちゃ恥ずかしい。

チャイムもなったし、教室に入る。席が近いから話は続く。


「私達からも言ってみるよ。野球部の話」



「いや、浅野さんの気持ちも大切にしたいから___。」


「いやぁ。健気だねぇ。」

「それに、心愛は多分、野球部に入るつもりだとおもう。今迷ってるのは、美術部の大会に出場したいって気持ちが少なからずあるから、その決心がつくまで入部を曖昧にしてるんだと思う。野球部の顧問が強引にでも入れれば心愛は美術部の大会にも出場できると思うけど___」


「それなら行けるかもよ?」


「愛佳どういう事?!」

「いや、今ね、美術部と野球部が心愛を取り合ってるらしいのよ。野球部は福島先生も巻き込んでるらしいから、福島先生が強引に行けば心ちゃんは大会も出れるし、野球にも入れるでしょう?だから、もうちょっと心ちゃんが粘れば行けるよ」


まじ、か_____


「でもなんで愛佳知ってるの?」

「ほら、私のお兄ちゃん野球部じゃん?そこで」


野球部_____野球部______山口______?____!!!


「朝陽先輩?!」

「そうそう。お兄が“俺次の副部長だぜ”ってイキってたんだけど、うちの家族誰一人として信じてないのよ。お調子者だからだし、エイプリルフールに言ったんだよ。」

「それは信じれないけど、ほんとだよ。それ。」


朝陽先輩____どれだけ信用されてないんだろう____。いや、エイプリルフールにそんな事言う朝陽先輩も朝陽先輩だけど____。






心愛side____




なんかすっごく恥ずかしいことした気がする!!




§





「浅野さん。やっほー」

「明日香先輩!どうしたんですか?」

「ん〜?浅野さんを勧誘しに来た」

「え〜私もしかしてモテちゃった?なんて?」

「モテてるよ〜」



「浅野、今いい?」

「福島先生。今先輩とお話中ですー!」

「穂波さん、浅野借りていい?」

「だめです!うちの時期部員です!」


「ちょっとかりるから、終わったらまた部室連れて行きます」




§




「せんせー私まだ決めてませんよ?」

「浅野の、悩みのタネは排除できる。」

「____私の悩みって?」


ほんとにどっちに入ろうか悩んでるだけなんだけどな〜。


「野球部に入っても、美術部の大会に出られなくなって後悔しそう、美術部に入っても野球部に入ればよかったって後悔しそう。」


あってます」


「野球は好きです。でも、絵を描く事も好きです。だから、悩んでるんです。考えてるんです。」



「野球部に入れば、どっちも出来るように出来るよ」

「さくら中での兼部は校長の判断のはずですよね」

「校長先生に話したら、兼部試験で判断するって仰ってるけどどうする?」


おー校長も動いてるんだ。


「じゃあやってみます。内容は?」

「30分で絵の具を使って絵を書いて、美術科の先生、美術部顧問、校長先生の評価が9割超えることが美術部兼部条件。」


どんな評価になるかわからないけど。やってみる価値はあるよね。


「野球部は?」

「自分の守備位置での、技術確認。」

「それ体験でしましたよね?するとしてもみんな見てますよね?読めるんじゃないですか?未経験のするピッチなんて」


「そう。それともう1つあるんだよ。みんなその兼部条件を達成できずに1つの部に所属するか、未所属になるかになってる。」


「もう1つって、野球部の兼部条件ですよね?」


「野球部のメンバーからのサポートはあるけれど、野球部員から空振り、見逃し、アウト、これらのどれかを1回だけ、全員から取ること。これがの2つめの兼部条件。」



野球部条件きびし〜。


「なんで野球部こんなに厳しいんだろうとか思ったでしょ?___それはね、野球部毎年、県大会から。」

「だった?」

「今年は県大会出場を逃した。」


「ふぅん。でも私、副部長候補から三振取りましたよね?副部長が打てないなら、みんな打てないんじゃないんですか?」


「あいつは誰かが出塁しているときにしか打たない。打率2割り無いよ。」


「じゃあなんで朝陽先輩、副部長なんですか?そんな人が副部長はだめですよ。」

「守備技術で朝陽あいつの右に出る中学生やつはいない。前副部長と部長からの推薦と、技術を見込んで、あいつは副部長なんだよ。」




「で、3つめはなんですか?」



「今の話の流れでは3つ目、ありますよね?」


「あぁ、あるよ。3つ目は、今のレギュラーピッチャーから打って、出塁すること」


「____で、、やりますか?野球部は合計で1800点満点中、最低でも1620点取ることが条件。」



厳しいな___。できなくてもやってみる価値はある。



______でも、できなかったら、どっちに入るの_____?



そのときは、その時。




「やります。」


「もし、どちらかが満たしていなかった場合、評価がいい方に入るか、無所属にすることになる。それでもいい?」



「はい。覚悟の上です。」






________________



兼部試験は、私の通ってた中学校のものをそのまま取りました。

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