第一章 託されし想いと手紙…… 時を経て渡る思い出の品!

第4話 ユリ✖️エレ デート! そして……


 大戦終結から五年余りの月日が経った天国エリアの某テーマパーク──


 時刻は朝の十時──


 久し振りの休みをとれた一組のカップルがデートに訪れていた。



「いや~今日も良い天気だね♪ エレイン♪ 絶好のデート日和だ♪」


「ふふ、そうね。 お互い暫く休みなしだったから今日はたっぷり楽しみましょ!」


「ああ♪ そうするとしようか♪」


 比較的カジュアルで動きやすい服装のユリウスとエレイン。


 割とガチで楽しむ気満々であった。


 事前に購入しておいた年間フリーパスで入場する二人。


 すると……


「おお〜〜♪♪♪!!!!」


 入って早々にテーマパークの空気にテンションが爆上がりのエレイン。


「こっ! これはなんだか想像以上に楽しそうですね! ユリウス! どれから攻め入ります!? あぁ〜目移りしてしまいます!」


「はっは! たっぷり時間はあるからそんなに焦らなくても大丈夫さ! 一応事前になるべく沢山周れる様に下調べをしておいたから、ここは僕に任せてもらおうか♪ というわけで、まずはあっちから行こうか♪」


「流石ユリウス! 頼りになるわ!」


 こうして、様々なアトラクションを堪能しまくるユリウスとエレイン。


 ユリウスは意外でもなんでもないのだが、意外だったのはエレインの方であった。


 普段の彼女はというと、ブチ切れると超絶怖いクールビューティーなデキル女といったイメージなのだが、今日の彼女は目をキラキラさせながら興奮しまくる、まるで子供の様にハシャギまくる始末であった。


 普段の彼女からはあまり想像がつかない姿である。


 というのも、二人共普段は大戦終結からの復興業務を通常業務と並行しながら行っているのもあって、相当タイトなスケジュールで動いていての本日は久々にとれた休日なのであった!


 なのでハシャぐなという方が無理なのかもしれない。


 彼女の意外な一面も見れて、それも含めて楽しそうなユリウス。


 だが正直なんというか……


 あまりにも楽しいのか恋人同士のデートというよりも、ただ単に男女の友人同士が全力で遊んで楽しんでいる風にしか見えなくなってしまっていた……




 そんなテンションで日中全力で遊び倒して時刻は夜の一九時過ぎ──




 ユリウスの提案でデートっぽい雰囲気もそろそろ出したいからとの事で、途中ドレスアップする二人。


 そのまま事前にユリウスが予約していた高級レストランにてディナーを楽しむのであった。




「── いや~、年甲斐もなくハシャぎ過ぎてしまったかな♪」


「いいんじゃない? ただでさえ普段忙しいんだからこういう時位は童心に帰っても♪」


「はは! そう言ってくれると助かるよ♪ 君も楽しんでくれてたみたいだったし♪」


 そう言われて顔を真っ赤にするエレイン。


「うぅ…… そう言われるとなんだか無性に恥ずかしくなってきたわね……」


「やっぱり君とのデートは楽しいね♪」


「そう言ってもらえるのは嬉しいけど…… なんだか私達のデートってかなりの高確率でこんな感じになってしまってる様な…… もう少しちゃんとしたデートっぽい事が出来ればいいんだろうけど…… ごめんなさいね。 あまり色気がない感じになってしまって」


「なに。 自然体で楽しめた方が僕達らしくていいだろう。 それに君はいつだって色気もあってかつ可愛さも両立してるしね♪ 流石僕の天使♪ いや! 女神様だね♪」


「もっ! もう! そんな恥ずかしい事さらっと言わないで!」


「はっは! テレてる君もまた素敵だよ♪」


「だから揶揄わないでってば! ユリウス!」


「全く! にしても…… 綺麗な夜景ね。 結構高かったんじゃない? ここのレストラン」


「大した事はないさ。 それに最近はこんな時でもないとお金を使い暇すらないからね。 お金は使う者が使えるべき時に使ってこそ経済もまわる。 それに僕も閻魔一族の端くれ…… 超セレブだから♪」


「自分で言う? 端くれっていうか当代大王だし…… でもまあそういう事ならお言葉に甘えるけど、あまり無理しないでね。 別に私は貴方と二人でいられるならそれだけでも……」


 最後の方はテレて小声になり、もじもじしながら言葉を発するエレイン。


 それを見てニマニマしながら揶揄うユリウス。


「んん~♪ なんだって〜♪? 最後の方がよく聞き取れなかったなあ~♪ もう一度言ってもらってもいいですかな♪?」


「……」


 無言の圧(殺気)を冷たい視線と共にユリウスに向けるエレイン。


「…… スイマセン。 チョーシニノリマシタ」


「わかればよろしい」




 とまあ、そんあ感じでディナーも満喫しつつ時刻は二十一時前──




「なあ…… エレイン」


「ん? なあに?」


 先程までとは打って変わって落ち着いた、それでいて真面目な表情に切り替わるユリウス。



「君に受け取ってほしいものがある──」


 そう言ってエレインの前に置いた小さなケースをユリウスは目の前で開け、その中から覗かせるは美しい指輪の姿があった。


 つまりはそういう事だ。


「!!!!っ これって!!!!」


「エレイン…… 僕と──」

「!!!っ ごめんなさい!!!!」

「!!!!っ エレイン!?」


 ユリウスの言葉を遮るかの様に待ったをかけるエレイン。


「ちょ…… ちょっと頭が追いつかなくて! そっ! それに……」


「それに?」


「まっ! まだ私達にはそういうの早いんじゃないかとっ! まだまだ大戦後の天界の立て直しも不十分だし!」


「…… 本当にそれだけが理由かい?」


「!!!!っ それは……」


 彼女の様子がおかしい事に当然気付き、その『真意』を問いただそうとするユリウス。



「君が何を考えているかは想像がつく…… これでも幼馴染だからね……」


「ユリウス……」


「正直僕は『そんな事』全くと言っていい程に気にしないし、今更『君や君の家族の過去』について昔みたいにとやかく言う奴なんて殆どいないだろうし仮にそんな奴等がまだ残ってたとしてもそれで僕等に迷惑がかかる事は万に一つもない」


「君もわかっているだろう…… とはいえ、それでも僅かにでも僕に迷惑がかかる可能性が残っているなら自分だけ幸せになるわけにはいかない…… そんなところかな?」


「……」


「やれやれ…… 君という人は……」


「……」


 溜息交じりのユリウス……


 無言で俯くエレイン……



「何があっても君の事は僕が必ず幸せにする…… この気持ちが変わる事は未来永劫ないだろう…… だからこそ、ここで強引に君を説き伏せても構わないが…… 敢えてこの場ではやめておくよ」


「それで一緒になれても、君がまたその事で気に病み、君自身が幸せになれないならそれこそ本末転倒だ」


「結局のところ、過去を乗り越えられるか否かは本人次第だからね…… 勿論! 君にその気があるなら僕はいつだって君に寄り添い! 支え続けるつもりだけどね~♪」


「……」


「…… だがエレイン…… せめてこれだけは言わせてもらうよ」


「エレイン…… どうか…… 自分が幸せになる事から逃げないでもらいたい──」


「そして過去を逃げる為の言い訳に使う事も…… ね」


「君は幸せになってくれていいんだ──」


「ユリウス……」


「はい! この話はここまで! まっ♪ ゆっくり考えてくれればいいさ♪ 別に急いでる訳でもないしね~♪」


「君がもっと自分を大切にしてあげれる…… そんな決心ができるその時まで! 僕も気長に待つ事にするよ♪」


「ユリウス…… ありがとう…… ごめんなさい……」


「謝る事はないさ♪ 僕の方こそ、ちょっと空気を悪くしてしまってすまなかったね」


「そんな…… 謝らないで! 悪いのは…… 私だし……」


「じゃあ~ 笑顔! 何事もラブアンドピースが一番♪ じゃないと~……」



「この普段の君からは想像もつかない! 君の子供の様にハシャぎまくってるこの写メを明日僕は惚気ながら皆に自慢してまわるよ♪♪♪♪ というか今から友人に片っ端から送信するよ♪♪♪♪」


「!!!!っ ぎゃあああ!!! やめなさい!!! わかった! わかったから!」


「はははは♪♪♪♪」







 ふう…… 危ない危ない。 なんとか笑顔にもどってくれたか。


 せっかく今日は楽しんでくれたんだ。


 彼女を困らせたくないし、今宵踏み込めるのはここまでかな……



 こうして最後は危うかったが無事デートを終えたユリウスとエレインは、レストランを後にし帰路につくのであった。


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