第3話
「コールドスリープ……? それは何?」
この件について最初に聞かされた時、私が不思議そうな顔をすると、看護師のお姉さんは丁寧に説明してくれた。
「冬になると、クマさんやハムスターなどが冬眠するでしょう? あれと同じよ」
人間は本来冬眠しないけれど、特別な装置を使って人工的に冬眠することは可能。ただし人間の場合、冬眠といっても冬だけでなく、もっと長く眠ることになるという。
「『もっと長く』って、どれくらい……?」
「早苗ちゃんの病気、今は治せないからね。治せるような時代になるまで、眠り続けるの」
彼女が「時代」という言い方をした時点で、私は直感的に察していた。
それは遥か未来なのだ、と。
お父さんもお母さんもお兄ちゃんも、親戚のおじさんおばさんも、小学校の友だちも……。みんな生きていないような「遥か未来」なのだ、と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます