第30話
「ちょっと奏音」
姉さんが帰ってきてただいまも言わずに俺の元へと駆け寄ってきた。
しかも機嫌の悪そうな声で。
「なに?」
「なに?じゃないんだけど。なんで今日の部活体験吹部いってんの?バスケ部じゃないの?」
「あ〜...」
そうね。そうだね。姉さんはキレてくるよね。うん。ごめんなさい。
「ちょっと前から吹部とバスケ部悩んでるって言ってたよね?」
「言ってたけどバスケ部と悩んでるっていったじゃん。なんでバスケ部先じゃなくて吹部先なの?」
「なんとなくです。ごめんなさい。」
「へぇ〜〜〜。昨日から椛と仲良さそうにしてたもんね?そりゃ椛を取るよね?」
「椛姉さんは関係ないよ」
「ほら!今までお姉様だったのが姉さんに変わってる!!」
あぁ...やっばいわ。墓穴掘りまくってる。
「えとそれは「もういい!椛に直接聞く!」」
そういうと姉さんは二条さんに電話をかけた。
prrr prrr prrr pr
『もしもし?』
「椛!なんで今日吹部に行かせたの!?」
やば、姉さんヒステリックになってる。
『まあまあ声を荒げなさんな。綺麗な声が台無しや』
「うるさい。質問に答えて」
『しらんで?なんか知らんけど奏音くんがきたんや。入れ知恵もなんもしてないで。そもそもなんか入れ知恵するなら楓が怒るし吹部じゃなくバスケ部にいかせるしな』
まったくもってその通り。二条さんも俺もそこら辺は理解をしている。
「椛ならそうするか...てかなんで奏音が椛のこと姉さん呼びになってるわけ?私だけの特権だったのに」
『部活体験のときにそう言わせるようにしたんや。遠いけど親戚やしな?』
「はぁ。ありえない」
そう言って姉さんは電話を切って二階へと上がっていった。
こういうときはちょっと冷やすほうが良いかな。
___________
Kae:弟と喧嘩してしちゃった...
一ノ瀬綾瀬:自慢スカ?えぇ?
Kae:椛とも喧嘩しちゃったしどうしよううううう
一ノ瀬綾瀬:別に椛は今対して重要じゃない。なんで喧嘩したの
Kae:部活体験で吹部いってたから
一ノ瀬綾瀬:え、なにがわるいの?
Kae:いやそうなの。でもなんで先にバスケ部じゃないのかなって
Kae:単純なやつあたりではある...
一ノ瀬綾瀬:そりゃ楓が悪いね。土下座してきな。
Kae:どーしよ...
一ノ瀬綾瀬:土下座!土下座!土下座!
Kae:黙りなさい。もっとマシな提案を
一ノ瀬綾瀬:今日は寝込んで明日何もなかったように話しかける。これで良いんじゃないんですか。
Kae:もう今日は奏音パワーをもらえないのかぁ...
一ノ瀬綾瀬:いいなぁああ。私も奏音くんの力ほしいいいい
Kae:あんたなんかにあげないよん
一ノ瀬綾瀬:てか掲示板みた?
Kae:あんまり掲示板好きじゃないから見てない。どうしたの?
一ノ瀬綾瀬:なんか奏音くんが吹部の部活体験で口付けしたものが出回ってるんだけど…
Kae:は?
一ノ瀬綾瀬:いま高等部の執行部と監査部と吹部幹部が緊急会議中だって
Kae:私呼ばれてないんだけど??
一ノ瀬綾瀬:そりゃかえちー呼んだら会議が紛糾するだろうし呼ばないでしょ。
Kae:ちょっと今から学校行ってくる
一ノ瀬綾瀬:やめときなって
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