オタクな俺とギャルな君。果たして交際できるのか?

桃飴 莉都

Prolog.いつもの日常

ここは良明高等学校。中高一貫校で、文武両道がモットーな高校。


俺・柴野陽介の成績は中の中だが、文武両道を貫いているという自負はある。


登校中肩を叩かれ、振り返るとそこには見紛うことなきギャルがいた。


「よ!陽介!あーしも早く来れたの褒めてよ〜」

「なんで俺がお前を褒めなきゃいけないんだよ……」


俺とこのギャル・猫又 瑠衣ねこまた るいは幼なじみである。確かに中学時代から制服を気崩して注意されているのを何度も見かけている。


「はぁ……あんまり話しかけないでくれよ……」

「なんでよー!あーし陽介と仲良くしたいんだけど?」

「俺とギャルは相容れないんだよ!」


何を隠そう俺はオタクだ。オタクに優しいギャルなんて漫画やアニメの中だけだ。


こいつにオタバレしたら一斉に広まるんだろうな。


「……そんなにあーしが嫌いなわけ?」

「いや、そういう訳じゃ……」

「お2人さん何喧嘩してんだよ」

「涼太」


俺たちの仲裁に入ったのは鈴本 涼太。俺と同じオタクだが、見た目イケメンな為、バレてもダメージ少ないんだろうなぁ……。


「鈴本くんさぁ、陽介があーしの事どう思ってるか知ってる?」

「陽介が?猫又さんの事?……うーん……普通じゃないか?」


涼太はしばらく考えた後、出てきた言葉に俺は安心した。


だってオタクとギャルって相性悪いだろ絶対。


「そっか……あーしもう行くね!」


そう言って瑠衣は走って校舎の中に入って行ってしまった。


「陽介、お前本当にいいのか?」

「何がだよ」

「猫又さんの事」


俺には涼太が何を言っているのかさっぱりだった。俺が瑠衣を?好きになる?


そんな事があってたまるか。オタクとギャルだぞ。絶対に有り得ない。それは今も昔も変わらない。


勿論、これからも───────────。

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