第21話 不死原・狂介
現在24歳の不死原が7歳だったころ……彼は、病院の一人部屋に居た。神にしては、だいぶ若い。ていうか若すぎる。なぜならば彼は最初から神として、生まれたではなく、一般人として生まれていたからだ。
『来たの!?』
『お姉ちゃんが来たよ! きょうくん!』
彼女の名前は不死原
『じゃじゃーん! おにぎり買ってきたよ! きょうくんが食べたいって言ってた、ツナマヨのおにぎり!』
と言いながら彼女はコンビニのおにぎりをおしゃれなバックから取り出す。そして、不死原の机に2つのおにぎりを乗せる。
よっぽど彼は嬉しかったのか、おにぎりにがっついた。
『きょうくん……美味しい? 手作り持ってくるのはさすがに、ダメだったからコンビニのおにぎりだけど……』
『全然……大丈夫だよ! お姉ちゃんが買ってくれたから嬉しいよ!』
──俺様は体が弱かった……──
『コンビニのからあげもあるよ!』
不死原は昔、ただの一般人だった。だが当時、彼は心臓病で入院を繰り返していたのだ。不死原のお姉さんは、良くお見舞いにこうやって来てくれていた。
『今度、いつ来るの?』
『えっとね……来週日曜日、お母さんとお父さんと私でくるよ』
日曜日 面会当日……
『まだかな……セナお姉ちゃん……大丈夫かな?』
不死原は『きょうちゃん!』と叫ぶ、聞き馴染みのある女性の声に気付いた。それは彼の母親の声だった。だいぶ焦った顔で彼の方を向く……。
──セナお姉ちゃんが……亡くなった……──
彼のお姉さんが亡くなった……それは突然死。不死原は驚きのあまり声が出なかった。驚きすぎて一瞬涙が出なかった。
『・・・ ・・・』
『なんでお姉ちゃん……が……』
まだ子供だった不死原は、あまりのショックで走り出して病院を出ようとする。彼は自身の母親と、女性看護師の4名を払い除けて病院を飛び出すことに成功。
だが彼の心臓はバクバクしていた。そう、なぜならば不死原は当時心臓病だったからだ。
──心臓が痛い……
──苦しい……苦しすぎるよ……──
雨が降り始める……空が泣いていたのだ。不死原のことを思い彼に答えるかのように一筋の光が……。不死原は、「眩しい……」と思っていると突然、言葉には出来ないような感覚を彼は感じた。
この世界は、彼のように悲劇が起こった人や、つらい人生を過ごした人をまれに空が神にする。それは、空の気まぐれなんだろうか。他にも、概念から神が生まれたりすることもある。
『不死原くん……部屋に帰りますよ……』
──さっきまで苦しかったのに……──
『ちっとも心臓が……痛くならない!』
『走っても痛くない!』
彼は走り出した! だって走っても心臓が邪魔してこない……そんなことは心臓病の患者からすると嬉しい限りだから。だから彼は楽しそうに走り出した。突然……何かを思いだしたかのように、スタッと彼は足を止めた。
──でも心は痛いまま……
翌朝、不死原は『ゲーム欲しいな』と考えながら起き上がった。すると彼の横に空間に穴が開いたのだ。それは、手だけが通るサイズの穴だった。
手をそこに入れると硬い感触を彼は感じる。取り出すとそれは彼が欲しいと思っていた、新発売のゲーム機だ。ちょうどその光景を目の当たりにした1人の女性看護師はギャグ漫画のように驚いた。
『え! どこから出したの! それぇぇええ!』
『もしかして……』
彼女は何かを思い出したかのように、走り出し不死原を担当している医者のいる部屋へ向かった。
『先生……先生! 不死原 狂介くんが……』
そして1週間後……とうとう不死原は退院することになった。彼にとって退院は嬉しい日のはずなのに嬉しそうになかった。
『なんで……今から退院……それならお姉ちゃんが生きてる時に! したかったよ……』
『ごめんね……狂介君はね、神様になったんだよ! だから心臓が治ったの……』
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「あいつも……大事なやつを失う……俺様みたいに……」
『頑張って……きょうくん!』
となぜか不死原の心の中で彼自身の、お姉さんの声がした。とても優しいその声が……。それにより彼はやる気を取り戻したのだ。そして彼は立ち上がる……。
「向かってくれ! シェイラの元に! ドクターイエロー……」
ドクターイエローは警笛を鳴らす。そして全力で彼は、走り出した。すぐにシェイラの元に着いた。そこはシェイラのちょうど真後ろだ。不死原は走り、その新幹線から飛び出す。そして彼は影になる。
「えっ!? ドクターイエローくん? どうしたの?」
と叫びながら審判の神の影から不死原が飛び出した。審判の神に攻撃が命中する。審判の神は叫びもできずに、死滅。
また復活……だが次で最後だ、彼の残基はあと一つ。なぜかと言うと彼は3回復活できるのだ。審判の神の血を不死原は、斧から払う。シェイラの元に不死原は向かった。
彼女を守れる隣に一瞬で移動する。彼はシェイラの手を優しく握る。そしてこう言った、「シェイラ……お前さんを俺様は、救う」と
「不死原……さん……?」
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