第12話イザいう時の手形割り

その出血を補うためにもサステナブルな運営方針を岩盤の一枚岩のような強固なモノに続けて行かねば為らない。


では、これにて解散する。


取締役会の諸君、お疲れ様。」


サッと、席を立った八束は、会社の機動力を意識していた。


「社長は、ああ言っているがどうなの?」


経理部長兼取締役楢崎一桜(ならさきいちおう)の顔を睨むように問い詰める常務取締役総務部長上善広志(じょうぜんひろし)が、互いにコーヒーを挟みながら密談をしていた。「一気に3000億を支払えるのか?」


楢崎に詰め寄るが、顔色一つも変えない当人は、「現金でというのは無理な話だね。竣工分の出来形のみなら支払えるが、後は手形で分割だ。


 墨村コーポレーションは、回収に来るだろうから手形を割さえすればこっちのものだよ・・・。」

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