コンビニで晩御飯の買い出し
俺はこたつでクラウドソーシングアプリを利用して依頼リストをチェックしていく。リアルタイムで更新されていくリスト一覧を古い投稿から順番にチェックする。時折スマホのSNSチェックも行う。業界の方の中には連絡先を知らない方も多い。そういう方々はエンジニアやクリエイターのSNSアカウントをチェックして投稿内容等を参考に気になった人にDM(ダイレクトメッセージ)を送りアポイントやオファーの相談をすることもあるからだ。
そんな時間が数時間過ぎさった後、俺は本日の業務を終了させることとした。といってもオファー・クラウドソーシング問わずレスポンスがあればスマホからオリジナル設定しておいたアラーム音が流れるので都度即時対応を行う様にするんだけど。流石に寝ている時はどうしようもないが。
俺は晩御飯の買い出しの為、自宅から徒歩1分以内にある馴染みのコンビニに行くことにした。冬場の季節なので完全防寒のトレンチコートを着飾って手袋を付けて玄関を出る。
俺の拠点(自宅)は玄関を出たのちに門扉がある。俗に言う外門と内門というものだろうか。
俺自身よくわからんが昔ながらのセキュリティとしての意味があるのだろう。
夜間となって外の空気は凍てつく程に身体をしびれさせる。たかが1分されど1分。コンビニの扉をくぐるとまるで天国の様な温もりと共にウェルカムベルが鳴り響く。「いらっしゃいませー」店員さんの挨拶が心地よい。
俺はカゴを片手にカップ麺売り場に行く。
カップ焼きそばの大盛りの中からあっさりめの塩味を選びカゴに入れる。次に冷凍食品のコーナーで冷凍ほうれん草を入れる。冷凍食品コーナーの後ろにあるチルドコーナーでとろけるチーズと温玉をカゴに入れる。あとは適当に明日の朝食べるパンや紙パックドリンク・糖分補給用のお菓子をカゴに入れてレジに向かう。
二つあるレジの奥側手前には地元野菜が販売されている。店舗にもよるがオーナーの采配で
地元農家の方と契約し販売しているのだ。
多少値段は高いのだがスーパーでは手に入らない新鮮で美味しい。流石に夜ということもありほとんど売り切れ状態だった。残った野菜は見切り販売していたので追加でカゴに入れる。
「お待ちのお客様こちらレジにどうぞー」
声がかかり俺は手前のレジに移動しカゴを置く。手前レジの台の上には大人気アニメキャラクターコラボのコンビニくじが置かれている。
ほとんどのコンビニで売り切れ続出のコンビニくじやキャンペーンオリジナルコラボグッズは
山側にあるコンビニなのでコンビニくじはほとんどが売れ残っていることが多いのだ。
俺は商品をスキャンしている店員さんに「すみません。クジを3枚お願いします」といつもの様に注文した。「ありがとうございます。レジ袋はいかが致しましょうか」「エコバッグ持ってきてるので大丈夫です」俺は会計を終えて商品をエコバッグに入れる。その後慣れた手つきでクジを開ける。今回はE賞のハンドタオルが2枚とC賞の名脇役(ある意味主人公以上に人気の)キャラフィギュアが当たった。このコンビニに来たらとりあえずクジはかかさず買ってみることにしている。俺自身多少サブカルオタクではある。
被っていたりそんなに興味のないコラボグッズ等は知人や仕事で繋がっている人が欲しがっていたりすることがあるのでA賞だろうがラスト賞だろうがさりげなくプレゼントしてみたりしている。そのおかげで意外と公私共に人間関係が円滑になっている。俺自身リモート以外での仕事の打ち上げ等の飲み会の人付き合いが悪い方なので釣り合いを取るツールとして活用させてもらっている。毎度のことながら個人的には箱を空にする金銭的なデメリットよりも後々のメリットの方が大きいと思う。
「ありがとうございました」
あたたかな店員さんの声が冷気で包まれた外の世界を照らしていた。
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