第12話
さてさて、今私に近づいてきているのは記者…それもいわゆるルールを理解しながらも守らず権利ばかりを主張する
まあ、無視して速攻で帰るのもありだし、この記者を
危ない危ない、思考がやばい方向になりかけていた。
ちなみにこいつの話を聞く気はない。
もうすぐ夜になっちゃうし、今日は満月って母さんから聞いたからね。
なお、母さんとは地球の母親のことである。というかヨカは基本エラのことは呼び捨てにする。
「エリス、術式の起動をお願い」
【かしこまりました、マスター】
「…それで?何の用?」
「あなたは異世界の魔女さんですよね?すこしお話に付き合ってもらいたくて」
「お断り、私にメリットがないしそもそもそれを受けてあげる義務もない」
「そんなこと言わないでくださいよ!国民は知る権利があるんですよ!」
「
『よく言ったヨカちゃん』
『ひっこめマスゴミ』
『そもそも配信してるから取材受ける必要性皆無なんですよねぇ』
…そろそろかな
「じゃ、そういうことだから」
術を起動、転移先を…!
発動させようとした瞬間、記者に腕をつかまれて術式を中断せざるを得なくなった。
「…何のつもり?」
「取材受けてくれるまで離しません!」
うざっ
『こいつ…〇すか?』
『ヨカちゃん、ぶっとばしちゃってもいいよ』
『俺たちは何も見なかったことにするから』
流石にぶっ飛ばしはしない。
多分肉片も残らず消し飛ぶから
「離して」
「嫌です!」
「離せ」
「嫌です!」
「…うざいって言われない?」
「そんなバカの言うことなんて気にしません!」
あ、これはだめだ
この人相手に話し合いで解決させるなんて無理みたい
…しかたない、やりたくなかったけど…えい
「うわっ!?」
私は軽い風魔法で引き離した
「エリス、今」
【はい、術式起動します】
「ということで帰ってきた」
『おかえり』
『おかえり』
『これからはどうするの?』
「エラが決めると思う」
「エラ、ただいま」
「おかえりなさい、ヨカ…何を持ってるのですか?」
「地球のお土産」
「これはこれは…いただきます」
今回持って帰ったのは母さんが作ったおにぎりとたくあんだ
「…これは、おいしいですね」
「地球にはもっとおいしいものもある」
私がそういったとたん、エラの目が真剣になった。
食べ物ってすごいね
「なんと…ヨカ、守護者としての仕事として命じます、地球と交流を持ち、貿易関係を築き上げなさい」
「…はい、わかりました精霊様。ですが…こちらからは何を交易品として提示すればいいのですか?」
どうやらエラは真剣に考えているようだ。
私のことを守護者って呼ぶのがその印になっている。
だからこそ、私も真面目に話をする
それこそいつもの和やかな会話じゃなくて事務的な上司と部下のように
コメント欄で何か騒いでいても気づかないくらいに
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