第2話 身バレって怖いよね
「…え?」
チャンネル名…ないの?
「エラ!?チャンネル名は!?タイトルは!?」
「…なんですかそれ?」
えええ……嘘でしょ
『ん?』
『おや、聞いてはいけなかったのかな?』
『というかどうやって運営の目をすり抜けたんだこれ』
「えええ…もうバレるの?早くない?
流石に早いよ…」
「…ああ、なるほど、地球の配信サイトにはタイトルというものが要るんですね
ヘロニモとは違うのですか」
「ちょっとエラ!?」
『んんん?』
『おい今この声だけの人なんて言った?』
『その声だけの人って言い方やめて差し上げろ』
『地球の配信サイトには…?』
『この配信も地球の配信では…?』
『ヘロニモって…どこ?』
「ああもう!」
エラのせいでバレちゃったじゃん!
『新人ちゃん新人ちゃん、バカな俺等におせーて』
『新人ちゃんはどこで配信してるの?』
「特定厨ですか君たちは!?」
『なに?特定厨だと?』
『潰せ』
『サー』
なんか配信が変になっちゃったよ!?
「ちょ、ちょっと落ち着いてー!」
『はい』
『落ち着きましたよ』
「落ち着くのが早すぎるでしょー!」
『いいツッコミw』
『子供がいたら、こんな感じだったのかな…』
『え?おじさんたち結婚してないの?』
『 』
『 』
『 』
『 』
『む…惨い』
『返事がない、ただの屍のようだ』
「落ち着いた?」
『もちろん』
『もともと俺たちは落ち着いてたさ』
「嘘はよくない」
『さーせんw』
視聴者が興奮したのを抑えたのはイイんだけど…
「まあ今落ち着こうが無駄になるし」
『ん?』
『ドユコト?』
「まあいいか、それじゃあ自己紹介しまーす」
『お』
『やっとか』
遅くなったのは君たちのせいなんだけどね
「初めまして、私の名前はヨカっていいます」
『ほう、ヨカちゃんか』
「あ、そのことなんだけど」
『ん?』
『まて、嫌な予感が』
「一応生物学的上、私男だよ?」
『はぁぁぁぁぁ!?』
『やっぱりぃぃぃ!?』
『こんな可愛い男の子いてたまるかぁぁぁ!』
「あ、あはは…」
やっぱりこうなるか…
『ヨカちゃん、質問があるんだけど』
「ん?質問?なにかな?」
どうせコメントが落ち着くまで時間かかりそうだし、この人の質問にでも答えて
『ヘロニモってなに?』
…そっちかー
「…聞いちゃう?」
『うん、聞いちゃう』
『たしかに、気になるな』
『ヨカちゃんの設定なのかな?』
まあいいか、どうせいつかバレるんだし今言っちゃっても
「えっとね…質問に答える前に約束してほしいことがあるんだ」
『おん?』
『約束?』
うん、大事なお約束
「今から言うことは事実だからそれを否定したり馬鹿にしないでほしいの」
『おや』
『結構重いお話なのかな?』
そういうわけじゃないよ
ただ、信じないだろうからね
「それじゃあ言うね?」
『ワクワク』
『ウキウキ』
「ヘロニモは私の住んでいる世界
私は言わば異世界人なんだよ」
さて…どんな反応をしてくるのか
『オッシャァァァァ!』
『異世界来たぞー!』
『まあ知ってたw』
「知ってたってどういうこと!?」
『だって、運営の目を掻い潜ってタイトルなし動画を投稿するなんて不可能だし』
『繋がっただけで号泣してたし』
『何かしら事情があるんだろーなーって察しはついてたよ』
勘が良すぎる…!
『ところで』
『そちらの世界には魔法はあるのかな?』
『機械って可能性もあるけどな!』
「あ、この世界は魔法とAIの混合世界…って言ったら分かるかな?」
『おおお!』
『スゲー!夢にまで見たコラボじゃん!』
『これからが楽しみすぎる!』
『ヨカちゃんはなんかの人事部ってとこなのかな?それで
「え?個人的につなぎたいからつなげただけだよ?」
『へー』
『ってことはこちらに個人的な興味を持ってくれてるってことか…ありがたいね!』
『
「あ、それなんだけどみんなに聞きたいことがあってね」
『おう!』
『なにかな何かな?』
『なんでも答えちゃうよ!』
「今って西暦何年なの?そっち」
『what!?』
『なぁんで西暦を知ってるんですかねぇ!?』
「そんなことはどうでもいいから教えて」
『どうでもよくはないんですけどねw』
『今か…確か2023年だったよな?』
『ああ、そうだな』
…まさかのヘロニモ《こっち》にきて三年しか経ってなかった…なんで?
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