第7話

ママは夕方決まった時間に万次郎の散歩に行く。



だけど、今日は私が連れ出しちゃって…ママはそれに気付かず万次郎が逃げたと思ったんだ―…。





…で、慌てて探しに出かけて―…パパと遭遇しちゃったって感じ。






「っただいま!万次郎帰って来てるの?!」



『アン!アン!』



「はぁ―…。良かった、ごめんね万次郎。」




ははっ、良かった…ね、






「こころ。おいで、」




「はい…。」



パパに呼ばれた。…私はこれから説教だ。




和室に呼ばれた。

…この静寂が無理。




「ちょ、先に言い訳聞いて欲しい。」



「何。言ってごらん、」



「パパとママに前に好きな人が出来たって相談した時に、二人がアドバイスしてくれたから…、その通りにしただけだもん。」



「はぁ―…。だからって、ママに言わずに万次郎連れ出したらダメだよ。」



「ごめん…。」



「で、上手くいったのか。」



「名前…聞けた。連絡先も…。」



「そっか、良かったね。」






パパは優しく笑った。

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