トレーニング3
「だから、こういう技かけたらこっちのコーナー側に転がるほうが得なのよ」
アースのプロレス講座は、ほぼ毎日開かれた。
「じゃあ、こういう場合は場外へエスケープもあり?」
俺よりもレックスの質問のほうが、回数も多く、そして質も良い。
「ありだけど、どうしても、残った側が孤立しちゃうから気にしながらだな。うん。でもケースバイケース」
「なるほど、そこ悩んでたんだよ」
うん、うん、と頷きレックスはリング内をウロウロする。
「ウルフは無いのか?」
「いや、ちょっと・・・」
レベルが高すぎて、俺の今までの自分の動きを押し付けるようなムーブがどれほど相手の良さを引き出せて無いか、と思うと恥ずかしくなって、いたたまれなくなっていた。
「とりあえずお前は、コーナーから飛んでろ」
結局、アースからはぶっきらぼうに物申されるだけだった。
「あのさぁ、こういう場合もあって・・・」
再び、レックスから質問が始まり、アースと二人でシチュエーション別のムーブの検証が始まった。
俺は、暑くなってきた事もあり、練習用のマスクを脱ぐと、一人でコーナーからの飛び技を練習するために、ポストに登った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます