美しい刃 【完】

大石エリ

美しい刃

彼はいつも鋭い瞳を隠しもせずに、不敵な笑みを浮かべていた。

彼と一緒にいる事がステータスとでも言うような女の子たちが、ハーレムのように周りを囲む。


女の子たちはみんながみんな、色とりどり華やかで、彼の隣には見合うほど綺麗な人しか近寄る事を許されなかった。

極上の女の子だけが彼の隣を争う事を許された。



だけど、そんな下々の争いなんて彼は目にも留めず、いつだって不機嫌そうに人を見下ろしていた。

彼にとって人間はみんなその他大勢であって、特別に誰かに思い入れを持つ事もない。


彼に寄ってくる人間の中から、てきとうに都合のいい人間をそばにおいて毎日をやり過ごしていた。たまに喧嘩をして、目にとまった女の子を食べて、彼の周りを取り囲む悪友と戯れていた。


全てを見下ろして、くだらなそうに生きる彼を、私は。


ずっと。


ずっと。


ずっと見ていた。

 


見るだけなら許された。

彼は見ることだけは許してくれていた。


彼の周りに集まる女の子たちは、誰もが負けないように着飾って、お化粧を研究して。

真っ白な肌を惜しげもなくさらして、スタイル抜群の体でアピールするかのように、匂いまでも綺麗だった。


そんな女の子たちは彼につまみ食いをされることが許されていた。

彼はそんな存在だった。


人間に格付けがあるなら、そのピラミッドの頂点に堂々と君臨していた。


それでも、彼は男の子からも反感を買わない。

みんなが彼と張り合う事を諦めていた。

彼に取り入ってそばにおいてもらう方が色んな面で得だったからだ。


私の平凡な容姿では近寄ることなど許されず、ただ毎日彼を見続けた。



彼の名前は、霧島怜央(きりしま れお)と言って、類まれなる美貌を持って、同じ高校に君臨していた。

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