第3話

白の半袖のカッターシャツ。


緩く結んだ薄ピンク色のネクタイ。


紺色のチェックのミニスカート。


黒のハイソックス。



……今日まで通っていた学校の制服。



生温い風に靡く明るめのブラウンの髪。そこからちらつかせる左耳に一つ付いてる小さなピアス。



悪戯が好きで、前の学校では教頭とよく喧嘩した。



教頭のやつめ、あたしが1年の時に愛妻弁当を食べた事をずっと根に持って、引っ張ってた。



今日で最後だったのに、顔を綻ばせてやんの。



……あ。



ふと顔を上げて其処を見てみれば、教頭の憎たらしい顔がパッと消えた。



「あ……!ぼろーい…」



足を止め、呟く。



目的地に到着したはいいけれど、予想していたのと随分と違って呆気にとられてしまった。

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