『孤高の狼は、月下を尊ぶ。』編

第14話 狼の領域

「はぁ、船旅は疲れた。」

「これが外なんですね!!初めて見ました!!」



ホオズキを連れ出すのに意外と大変だった。


まず、日の丸から連れ出すのに大変だったのでコソコソと隠れながら出てきました。



次に、船がありません。なので、船を少し拝借しました。(一生返せないと思います。漁師さん、すみません。)



それからは、冒険者登録をするのにも少し時間がかかりました。


なんか『四人からはパーティーになるので、名前を決めてください』とかなんとか。

ふざけんじゃねぇ。めんどいわ〜。

なので、パーティー名は、『特異点シンギュラリティ』ってしました。なんとなく、それがいいよって神様(ゴミみたいな女神)から来たので。

駄々こねたら『殺すぞ』って言われました。怖い。


それはさておき、通称、『狼の領域』の『月下孤狼領げっかころうりょう』に到着した。ようやくだよ。遠い。遠すぎる。クレメンド王国から遠いのなんの。まぁ、いいけどさ。





そして現在、狼に囲まれています。




「狼だな。」

「狼ね。」

「狼………はぁ、大変ね。」

「おおかみ!!わくわく!!」

ひとりテンションおかしいんですけど。そんじゃ、殺りますかぁ〜………………ッ!?


「うそでしょ!?」

「えー??」

「この、存在感、私クラスッ!?」

いや、ひとりおかしいのよ。ノーチェスさんや。


【ウーウー………ピーポーピーポー………お知らせします。その存在感その他諸々を調査した結果、メインヒロインである、個体名『ルナ』であると判別しました。】



えー、またぁ??

【テイムを推奨、推奨、推奨、すいしょ─────────】


ブチン!!


は??なんか、キレ……た??





「おい、童。お主、『女神』とやらと会話しておるな??」


「な────」


なんでバレた!?っていうか、ノーチェスも、カティアも、ホオズキをも誰1人気づかなかったはずなのに!?通りでテイムを推奨するわけだ。勘があまりにも良すぎる。鑑定したいね。




【女神スキル:《強制鑑定》を使用します。】


は??


ブンッ!!


【ステータス】

名前:ルナ

種族:狼人

年齢:16

カップ:F



筋力:200

敏捷:350


etc。



【特殊能力】


『女神への恨み』

女神に対して物凄い恨んでいる。理由は亜人であることに他ならない。(主に教会のせい。)


『最強種へあと一歩』

かの人類滅亡クラスのレイドボスまであと一歩である。





なるほどね、これみんなに出来ないかな??

っていうか、1つカップ数要らないんだけど。




【ステータス】

名前:カティア

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

省略


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




【特殊能力】

『テイムの枷』《脳筋》

汝はテイムが枷となる。外せば人類を滅ぼす事など容易いだろう。



【ステータス】

名前:ノーチェス



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

省略

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【特殊能力】

『テイムの枷』《常闇》

汝はテイムが枷となる。外せば世界を消す事など容易いだろう。





【ステータス】

名前:ホオズキ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

省略

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【特殊能力】

『テイムの枷』《犬酸漿イヌホオズキ

汝はテイムが枷である。外せば人類滅亡など容易い。





とどのつまり、テイムが枷ってことか。外せないじゃん。死にたくないんだけど。

ノーチェスだけおかしくね??1人、世界を消すとか何とか。怖すぎんだろ。恨みヤバすぎ。





ってことで、あの『ルナ』って言う人はテイムかな??


「おい、童。聞いておるのか??」

「あ、ごめん。童って俺の事??」

「そうじゃ、童。ん??違うのか??」

「いや、違くないけど…………」

「………お主、女神と知り合いか??」

いや、尋常じゃない殺気。

「さぁね。勝手に殺されて勝手に連れてこられたからクソ女神って思ってるよ。」


【酷いですよ??】

あ、繋がった。

【そうですねー。あの狼さんは、私を憎んでるようです。もう対策しましたけど。】

早くね??

【腐っても女神なんで。】

腐るんだ。

【腐腐腐………BLは最高でしゅ!!】

あー、BLかぁ。俺苦手なんだよね。



【それはさておき、来ますよ。】

あ、やべ……………これ、死んだわ。



「はぁああああああ!!」

げ、爪かよっ!?


「止まりなさい、ゴミ狼!!」


口悪ぅ!?ノーチェス!?


「止まるわけないじゃろがッ!?」

「それ以上進むな、狼。これ以上進んだら、容赦なく殺すからな。」

「女神の眷属がぁ!!」

「あのー、眷属になった覚えないよ??」


「は??」←カティア

「どういうことじゃ?」←ルナ

「え??どういうこと??」←ノーチェス

「なにそれ??眷属??」←ホオズキ

うん、一人おかしいね。





「そもそも質問なんだが………女神の眷属の定義ってなんだ??」



「それは………」

「うっ、答えられない………」

「答えられないのが悔しいのじゃ………」

「そもそも私しらなーい!!」


ホオズキ、ちょっと黙ってよっか。話がややこしくなるから。



「多分、お前らが認識してるのって…………」




僕はこう考えた。


もし、彼女達が僕を女神の眷属として認識している理由はなんなのか。それを解かねば死ぬ確率が恐らくは高い。というか、100%死ぬ。


今までは運とテイムで誤魔化せていたに過ぎない。ホオズキに関してはまじで、運でした。


閑話休題


恐らく、『』又は、『』であると予測できる。であれば、僕は女神と話したことがある(前世とは言えど)ので、後者に認定されたのでは無いのだろうか??





「多分そうかな??嫌な匂いするのは全部信徒だったし。っていうと全部やだったなぁ。あ、シンは別ね。なんかいい匂いなの。」


「同感ね。全部不味そうなのは信徒だったわ。あ、シンはおいしそうだから大丈夫。」


「そんなにいいのじゃ??」



「さいこう。」

「全部飲み干したい。」

「シンは楽しいよ!!面白いし、ずっとドキドキするの!!」



「そう、なのか。すこし、興味が湧いてきたのじゃ。テイムせい。」

「はーい。『テイム』」

「んぉっ。」

「聞いちゃだめだよ〜。ホオズキ〜。」

「何言ってたの??」

「何も言ってないからねー。」

「変な声聞こえたけど。」

「気のせい気のせい。」


守りたい。この純度。



こうして『ルナ』をテイムすることに成功した。




次はルナが何をしたのかをやります!!

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