メディアの言論弾圧と情報操作

星咲 紗和(ほしざき さわ)

第1話 メディアと政府の共生関係

私たちが日々目にするニュース。そこに流れる情報は、果たして誰のためのものなのだろうか。

表向きには、メディアは「国民のために真実を伝える」存在であるはずだ。しかし、その裏側では、政府の意向に大きく左右されている現実がある。


例えば、能登の地震の報道。発生直後は連日ニュースで取り上げられ、多くの人々が状況を知ることができた。しかし、時間が経つにつれ報道は減り、今ではほとんど耳にしなくなった。実際には、復旧が進まず、被災地では未だに支援が必要とされている現実がある。それなのに、なぜメディアは黙り込むのだろうか。


理由は単純だ。報道の優先順位は、社会的な必要性ではなく、視聴率や話題性によって決まる。政府が注目させたいテーマが出てくると、それに沿った報道が優先される。結果として、地震や災害のような継続的な支援が必要な話題が後回しにされてしまうのだ。


さらに問題なのは、報道が止むだけでなく、政府の失策や支援の遅れが隠されるケースだ。例えば、被災地での支援が遅れている現状を追及する報道はほとんど見かけない。それどころか、被害者の苦しみを必要以上に掘り下げ、プライバシーを侵害するような報道が目立つ。これらはすべて、視聴率を稼ぐための戦略だ。


メディアと政府の共生関係は、言論弾圧と紙一重だ。政府の意向を受けたメディアが「伝えるべきこと」を選び、「伝えなくてもよいこと」を排除する。その結果、私たちは見えないところで情報を操作され、何が正しいのか、何を信じるべきなのかを判断しにくくなっている。


私たちが当たり前のように接しているニュース。その中に、何が「伝えられていない」のかを意識することが、真実に近づく第一歩なのかもしれない。

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