妄想ミステリー⑪邪悪の家

鷹山トシキ

第1話

邪悪な家: 日本版 - 真実の暗闇


事件の発端


舞台は、日本の静かな海辺のリゾート地、鎌倉。ある日、エルネスト・ポアロ(演:堺雅人)とその友人であるヘイスティングス(演:佐々木蔵之介)が、鎌倉の海辺にある高級別荘地に滞在していた。彼らが宿泊しているのは、近くの浜辺が一望できる美しい和風の館、「エンド・ハウス」だ。ここでポアロは、ある人物と出会う。それはマグダラ(ニック)・バックリー(演:吉高由里子)という女性で、彼女は英国から日本にやって来たばかりの旅行者であり、鎌倉の豪邸に親戚や知人たちを招待していた。


ニックは、別荘に住む親戚や友人との関係が微妙であることをポアロに打ち明け、彼女の周囲にいる誰かが彼女を殺そうとしているのではないかという恐れを抱えている。彼女は顔の周りにハチが飛んでいたという奇妙な体験を語り、ポアロはそれが単なる偶然ではなく、何か重大な暗示を含んでいることに気づく。


謎の弾丸と秘密の過去


ポアロはニックの話に注意を払い、館内を調査した結果、庭に落ちている弾丸を発見する。この弾丸が意味するものは何か。ポアロの直感はそれを疑念に変え、彼はニックに自身の心配を伝える。「あなたを守るべきだ、ニック。誰かが近づいている。」と。


ニックの親戚の中で最も疑わしい人物は、従兄の弁護士、 チャールズ・ヴァイス(演:小栗旬)であり、彼はニックに財産を譲るための手続きで彼女の自宅に抵当権を設定する手助けをしていた。しかし、ヴァイスには財産の一部を狙っている証拠は見当たらなかった。さらに、ニックにはそのほかにも謎めいた人物たちが周囲に存在していた。


エンド・ハウスの家政婦であるエレン(演:田中麗奈)、近くに住むオーストラリア人夫婦のクロフト夫妻(演:松重豊、木村多江)、ニックに好意を抱く青年ジョージ・チャレンジャー(演:池松壮亮)、ニックの親友であるフレデリカ(フレディ)・ライス(演:長澤まさみ)と、その恋人である美術商のジム・ラザラス(演:小池徹平)。一見して誰もが無実のように見えるが、ポアロはこれらの人物の中に何かしらの動機を感じていた。


運命の夜、マギーの死


ポアロは、ニックが真剣に命の危険を感じていることを理解し、彼女に助言をする。「あなたの最も近しい人々の中に犯人がいる可能性が高い。」ポアロの提案で、ニックは従妹のマギー(演:清水富美加)を呼び寄せ、数週間滞在させることにした。数日後、ニックはその周囲の人物たちと共に盛大なパーティを開くことにする。その席上で、最近行方不明となったマイケル・シートン(演:鈴木亮平)の話題が出る。


パーティの途中、ニックとマギーは一緒に席を外し、しばらくしてから、マギーの死体が発見される。驚くべきことに、マギーはニックのショールを身に着けていたのだった。


ポアロは自分の目の前で起きたこの事件に激怒し、すぐに捜査を始める。ニックは動揺しつつも、ポアロの助言に従って、食事や飲み物に注意を払い、さらに警戒を強める。


死の陰謀と隠された真実


翌日、新聞はマイケル・シートンの死を報じ、その詳細を伝える。ニックはポアロに、シートンと密かに婚約していたことを告白する。シートンは多額の財産を持っており、その財産は婚約者に遺贈される予定だった。ポアロは、シートンの死の背後に潜む何かを感じ取り、調査を進める。


ポアロはクロフト夫妻に警戒を強める。夫妻はニックに遺言書を作るように勧めており、さらに、彼らが過去に行った行動についても調査を始める。ポアロとヘイスティングスは、エンド・ハウス内をくまなく探し、シートンがニックに宛てたラブレターを発見する。しかし、ニックの遺言書は見つからず、ヴァイス弁護士が受け取ったという証拠も得られない。


ポアロは、クロフト夫妻が関与している可能性を突き止める。夫妻は偽造の前科があることで知られており、彼らがニックの遺言書を偽造してヴァイスに送ったことを確信する。


最終章:暴かれる真実


ポアロは、ニックの死を偽装するために一計を案じ、周囲にニックが死亡したと伝える。そして、遺言書が公開される時が来る。その内容は、オーストラリアのクロフト夫妻にすべての財産を譲るというものであり、その遺言書の内容は一同を驚愕させる。


しかし、その瞬間、ニック自身が幽霊の姿で現れ、クロフト夫妻が遺言書を偽造したことを暴露する。ポアロの推理が当たり、夫妻は偽造犯として逮捕される。


その後、ポアロはフレディが実は真犯人ではなく、ニックが自らの命を狙う狂言を演じていたことを明かす。ニックはシートンになりすまして財産を奪うため、いとこであるマギーを殺害したのであった。


最終的に、フレディはラザラスと結婚し、二人は幸せに暮らすことになる。ポアロはその後も鎌倉で数々の事件を解決し、静かな余生を送る。



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この日本版「邪悪の家」では、日本のリゾート地を舞台にしたミステリーを描きつつ、ポアロとヘイスティングスのコンビが事件を解決していく様子を描きました。日本の登場人物と舞台で展開される緊迫した推理劇を楽しんでいただけたでしょうか。


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