第28話 抗い(1)
「させるか!」
「はぁ~、氷雪ー! ブリザードー!」
儂が拒否を続け、抗う李儒の胸に顔を埋め甘えながら貪っていると後方から声──。それも何処かで聞き覚えのある声が耳へと聞こえた。
だから儂はやっと李傕と郭汜の二人はお眠り、優雅な睡眠(笑)から覚めたようじゃなぁ、と思えば。李傕が放った弩の風切り音が耳へと聞こえたから李儒の肢体を貪りながら泣かす悪戯、虐め行為を辞め──自分の左手に光の盾を展開しようと試みた。
でも直ぐに郭汜の奴が術式を唱え始め魔砲弾を放つ準備を始めたから。流石の儂も盾では不味い、防ぎきれないと思い。
さて、どうするかな? と思案を始めると、郭汜の奴が魔法弾
「ミラーシールド!」と叫んだ。
《ガシャン!》
儂が術式で展開した真っ赤な光の鏡のシールドは二人からの攻撃を受け、あっさりと粉々に砕け散ってしまった。
だけど儂等三人は無事だからホッと安堵すれば。
「二人共~! 避けるか~、逃げて~!」
儂の後ろで乱れた制服と呼ばれる衣装を整える李儒の奴が李傕と郭汜へと指示……。
そう儂が自分の身を守るのに展開をしたミラーシールドは敵からの攻撃を防ぐだけではなく。敵の攻撃──それも各種魔砲弾に限りではあるのだが反射で弾き返し、放った者と身近にいる者達を攻撃することができるのだ。
「えっ!」
「わぁあああっ!」
郭汜が放った氷雪魔砲弾が反転して自分達の許へと帰ってくるから、二人は驚嘆しつつ、左右へと散りながら。
「どうする?」
「どうしよう?」
李傕と郭汜の二人は、お互いが声をかけ合いながら回避をおこなう。
《ドン!》
刹那……。
「「ぎゃ、あああああああああっ!」」
まあ、集中力を欠いた二人はこの通りだ。二人が儂が反射させた氷雪を防ぐ事をしないで回避を選択したから、後方にいるガキ達が直撃──。魔弾の氷柱が自分達の身体を貫いて、断末魔を上げ血まみれの躯と化した。
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