第25話 軍師様は御怒りのようで (1)

《ドン!》


 樊稠の歪む顔を見て──大変に御機嫌な儂だから直ぐに、奴の横腹へと回し蹴りも、蹴り込んでやった。


「きゃ、ああああああっ!」


 だから樊稠の奴の口から絶叫が吐かれたぞ。それも奴も牛輔の阿保と同じく、自分の身体で部屋に置いてある机や椅子を、金属音を出しつつ倒しながら、最後には壁に鈍い音を出し、ぶつかると樊稠の奴も力無く、その場にへたり込んだから。儂は牛輔の時のように放置する訳では無く。樊稠ニャンだから。儂はニヤリといやらしく顔を緩め、樊稠のだらしなく大股を広げ、へたり込む様子を自身の舌でいやらしく唇を舐めつつ、美味しそうにニヤニヤ見詰めるだけではなく。


 儂は呪術を使用して、一気に樊稠の側へと近寄ると、呻る奴の前に座り込み、嬉しそうに奴の着衣している、この部屋にいるニャン達がお揃いの、衣服の下の部分の、短い裾の中へと自分の手を入れ探り、貪り始め堪能をし始めた。






 ◇◇◇






 第18話 軍師様は御怒りのようで (1)





《シュン!》


《カン!》


《シュン! シュン!》


《カン! カン!》


《シュン! シュン! シュン!》


《カン! カン! カン!》


 何処かの誰かが儂の楽しみ……。


 そう呻り、自分の身体が動かない樊稠の奴を儂は手籠め、自分の物へとしようと悪戯しながら貪り、楽しんでいると。真っ赤な魔力の矢を放ち邪魔する阿保がいるから、魔力の矢が放たれる瞬間に儂は樊稠を悪戯する行為を辞め、呪術で盾を召喚──。阿保が放つ矢を全部防いでやると儂はそいつへと視線を変え睨みながら。


「李儒ー! 貴様ー! 儂の軍師であるのに、主君の楽しみを邪魔する気か!?」


 儂は阿保へと怒声を吐き、尋ねた。






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