りけじょ! の奇妙な日常【2】

憮然野郎

谷先生のおかん1

休日のオープンカフェ。


谷先生

「ふぅ~。

ついに今日やな……」


羽美先生

「はぁ~。

そうねぇ……」


真智

「どうしたんですか?

谷先生? 羽美先生?

二人してため息ついて」


谷先生

「おお、真智。

うちらの話聞いてたんか」


真智

「はい。

少しだけ。何をそんなに心配してるんですか?」


谷先生

「心配かぁ。そやなぁ~。

実はな、今日はうちの 母(おかん)が

久しぶりにうちと羽美に会いに来る日なんや」


真智

「へ~!よかったじゃないですか!」


谷先生

「それが、全然良くないき

さきから二人して悩んでるんや」


真智

「まぁ、谷先生のところもいろいろあるんですね~アハハ。

ところで、

谷先生のお母さんってどんな人なんですか?」


谷先生

「どんな人ってか、そやな~。


ザ 大阪のおばはん や!」


真智

「アハハ~、

なんとなくどんな人かわかりました~w」




???

「どしぇ~!

あんた、そんなとこにおったんかいな!」


谷先生

「あちゃ~。

おかん、ここ来たんか~!

着いたら家で待っといて言うたやん!」


◆おかん◆

「ちゃうやろ!!

あんた おかんに向かってそんなこまいこと言うんやない!

あんたらの部屋、他はだ~れもおらんやろ?

うちごっつ退屈しとったんやでぇ」




◆魚屋の主人◆

「お~い!

だれか、そこの泥棒猫捕まえてくれ~!」


真智

「谷先生?

あのドラ猫、お魚くわえたまま

もの凄いスピードでこっちのほうに向かって来ますよ!!」


◆おかん◆

「ふん、

うごぉぉぉぉ!!!」


真智

「ちょっと、谷先生!?

先生のお母さん、

炎天下で地面熱いだろうに、裸足で猫を追いかけはじめたかと思ったら、

急に白眼になって髪がぱつ金ボーボーに逆立ちはじめましたよ!!」


谷先生

「あちぁ~。

はじまってもうたわ……」


真智

「はじまったって……何がですか?」


谷先生

「真智はおとなしくみとき。

ああなってしまったうちのおかんは、

もう誰にも止められんのや……」


真智

「は、はい……。ゴクリ」


◆おかん◆

「グオォ~!!!」


……30分経過した。



真智

「谷先生~!?

いくらなんでも、

お母さんの変身、長過ぎじゃないですか?」


谷先生

「確かに今日は長いな!

お!、

どうやらやっと覇気が落ち着いたみたいや!」


◆おかんだったモノ(過去形w)◆

「グゥルルルル……」


真智

「谷……先生。

先生のお母さんの姿、あれって

どうみても

人の原型留めていません……よね?」


谷先生

「ホンマやぁ~!!

どこぞのバトル漫画のアメリカ版同人誌に出てくる

スーパーなんとか人15

みたいになっとるし~!」


真智

「谷先生……?

スーパー関西なにわ人15

ってことですか?」


谷先生

「ああ。

うちが言いたかった答えとは少し違うが、

まあ正解にしたる」


真智

「ありがとうございますw

ところで……、

先生のお母さんは

あんなデブくてみるからに頭悪く

弱そうな珍狼の姿で

あの泥棒猫に勝てますかね?」


谷先生

「真智。うちの おかん しっかり見ときや……。

あれでも おかん は大阪のオバタリヤンや!

図々しさとタチの悪さでは

誰にも負けんのや」


真智

「アハハ……、そうなんですね」


◆泥棒猫◆

「ウググ~!」


◆おかん◆

「グゥグゥガルルルル!」


真智

「泥棒猫 と 先生のお母さん、

お互いに全身で体を大きく見せて

一歩も引かずに威嚇し合ってますね!」


谷先生

「泥棒猫も意外にやるな~。

あれ…………?

なあ、真智?

あの真っ黒な泥棒猫の輪郭、

なんか見覚え無いか?」


真智

「え?

…………。

あ! 四葉ちゃんだ!!」


谷先生

「まったくあいつはぁ……、

食費ヤバいからって

なにも泥棒猫に転職することないやろ~!」


◆おかん◆

「グゥグゥグゥ!!」

◆四葉◆

「ギャギャギャギャ!!」


真智

「先生!!

二匹……じゃなかった。

二人が喧嘩しはじめましたよ!!」


谷先生

「凄い!!

二人の動きが速すぎて

全く姿が見えん!」


真智

「今、空中で闘っているみたいですね。

衝撃波すごいです!」


『ビリビリ!』


真智

「あー!

谷先生?

二人の動きが止まったと思ったら、

先生のお母さんが呼吸と一緒に気を、

気のエネルギーをケツの穴一点に集めはじめましたよ!」


谷先生

「さてはおかん!!

あの恐ろしい握りっ屁を四葉にぶつけるきか!?」


真智

「谷先生?

あれをまともに受けて、四葉ちゃん、

大丈夫なんでしょうか?」


谷先生

あれは……、

うちは身内やからわかるんや。

あのドデカい屁動へどうは 相当ヤバいヤツや!」


真智

「あ~! 四葉ちゃん! 逃げて~!!」


『ブブブブブ、ズドドドド~ン!!!』


真智

「くっっっっさぁぁああ~!!

それに何ですか~!?

この凄い凄まじい爆風!

周りの土や岩が空にめくれ上がって、

揺れでこの場に立っていられないですよ~!

目も開けていられないし~!」


『……………………』


谷先生

「ゴホッ、ゴホッ!

なんとか揺れだけは収まったみたいやな。

真智~大丈夫か?」


真智

「全然大丈夫じゃないです、ゴホッ、ゴホッ!

臭っさ~いですし!

砂煙で周りが砂しか見え、ゴホッ、ゴホッ!」


谷先生

「はぁ~、

やっと砂塵も収まったか」


◆おかん◆

「グゥ! ギョロ!」


「あ! 先生のお母さんが四葉ちゃんを睨んだ!」

◆四葉◆

「ビクッ!!

ポト!」


真智

「あ! 四葉ちゃんが驚いて、加えてた魚を落とした」


◆四葉◆

「グゥフォォォ!?」


真智

「四葉ちゃんの鼻、臭さで相当辛そ~!」



◆四葉◆

「ミャオエ~ン!」


真智

「あ!

四葉ちゃん逃げた!」


◆おかん◆

「フン!」



◇天の声◇

『おかん WINNER!!』

真智

「ちょっと何ですか?今の天の声?」


◆おかん◆

「ガウゥゥゥゥ!!」


真智

「先生のお母さん、勝利の雄叫びあげて

嬉しそうですねw」




◆魚屋の主人◆

「あのぉ……、横からすみません。

さっきは泥棒猫からうちの商品の 魚

取り返して頂いてありがとうございました。

よろしかったら、この後うちで夕食を……」


◆おかん◆

「パクッ!ムシャムシャ。


◇魚屋主人・真智・谷先生◇

「あっ、喰った……」


◆おかん◆

にぱぁ~☆

~キラキラキラキラ~」


谷先生

「盗んだ魚、結局おかんが喰うんか~い!

ボケー!!!」


◆おかん◆

「グハァァァ~」


真智

「あれ!?

谷先生待ってください!」


谷先生

「どうしたんや、真智?」


真智

「先生のお母さん、

今、口の中から一生懸命魚吐き出してますよ~!」


谷先生

「おかん汚ったな~!

こら! 今さら吐き出しても遅いっちゅ~ねん!」

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