第15話
エネルギーとは何ぞやという話だが、あいにくとそこらへんに関して私は詳しい知識を有していない。
いや、一般宇宙人レベルの知識は持っているけれども、とはいえ専門家レベルで詳しい訳ではなかったし、だからと言って今の今まで不便な事を経験したかと言われれば全く経験したことがない。
ただ、強いて言うのならばこの世界において地球の人類がまだ把握していないエネルギーは存在していて、そしてそれをオルタデルタカンパニーはちゃんと知識として理解しているという点は極めて重要なポイントだろう。
便宜上――そのエネルギーの事はオルタデルタカンパニーが用いている言葉を利用しアストラルと呼ぶ事にしよう。
アストラル。
……これは一体何ぞやというと説明が難しいのだが、保存されないエネルギーと表現するのが正しいかもしれない。
発生理由や消失理由に関しては一切不明、それに関してはオルタデルタカンパニーもまだ研究途上の段階である。
ただ再現性においてはちゃんと「何をすればアストラルが発生するのか」が解明されており、いずれはこのアストラルについても解明が進む事だろう。
少なくともオルタデルタカンパニーはアストラルの資源化についても実現出来ているし、きちんとエネルギーとして利用する事も出来ていた。
チカチカ、と光り輝くものが見える。
何もない宇宙空間の中でも特に何もない空間の事をボイドというのだそうだ。
そこにオルタデルタカンパニーはいくつかの実験施設を建設しており、そしてその中の一つがここ、アストラル研究施設だった。
目の前にある実験施設の中で輝いているのは、地球から運び出された石炭を砕かれたり燃やされたり――まあ、いろいろされたのちに人工ダイヤモンドとなったものである。
ここでいう人工ダイヤモンドは普通のそれとは違うもので、立方晶窒化炭素という名前がついているのだそうだ。
よく分からないけど、これを用いてアストラルを発生させているらしい。
一般的な宇宙人の一人なのでここら辺はまるでさっぱりなのだが、まあ、とはいえ何トンという石炭から数キロの人工ダイヤモンドしか生まれないというのはオルタデルタカンパニーらしからぬ効率の悪さだなと思ったりもする。
研究段階なのでこんなものなのだろうか?
なんにせよ、地球の石炭を持って行ったとき結構感謝された。
なんでもこの何とか人工ダイヤモンドを作るのに現状だと適しているタイプの石炭だったのだそうだ。
そうなってくると、ちょっと話が変わってくるな……
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