side⑫ - 2
二見はベッドサイドのランプの灯りをつけた。ベッドの辺りだけが照らされて、二見の顔がうっすらと見える。
「和也の居場所はどこ」
俺はそれだけが知りたい。何をするかわからない二見に付き合っていられる余裕はなかった。早く和也にあって、こうなってしまった理由を......
二見はこちらをじっと見て、「知らんよ」と吐き捨てた。
「ボク、ミヨシのことなんて知らん」
こいつは何を言ってるんだ。確かに和也は二見のことを友達と言っていたのに......。二見はきっと俺に嘘をついているのだと思った。俺を和也に近づけないようにするつもりなのだろうと。
「どうして!? 本当は知ってるんだろ!?
はやく! はやく教えてよ!」
思わず声が荒ぶってしまう。久々に出した大声は細い喉を抉るように掠れてしまった。
二見は、「ボクが知っとるのはひとつだけや....」そう言って、変に冷静な表情で、纏っていた服を1枚1枚脱いでいく。そうして外気に晒された肌には、ピアスがまばらに埋め尽してあった。
「これな、全部ミヨシがやったんや」
二見の傷だらけの身体を見て、
「ほんまに酷い男やと思わん?」
俺に何かを懇願するかのように二見の黒い瞳が潤み、今にも崩れてしまいそうな笑顔で笑っている。
「和也が......そんなことするはずない」
俺は二見の言葉が信じられなかった。だって和也はみんなに優しくて、何より俺を1番に愛してくれる。俺に対して見返りを求めない優しさの塊のような人間だ。和也は誰よりも清く正しい聖人なんだ。そうだった...
「信じられへん? そっかユウくんは知らんもんな」
呆然と立ち尽くす俺の手を二見が強く引いた。白く長い指を俺の指と絡んできて、俺はそのままベッドに押し倒された。腹の上に跨った二見に、服を丁寧に剥がされてしまう。頼りない光に晒された俺の身体を見て、二見は「綺麗やなぁ」と言った。
「心底羨ましくて、心底可哀想や」
二見は露になった俺の鎖骨に、ガブリと齧り付いた。
「あ゙っ、いったぁっ!」
指先が痺れるほどの痛みが走る。身を捩る俺の顔を掴んで、二見はまた脆く笑って言った。
「知っとる? ミヨシのセックスは凶暴なんや」
痛みで目に涙が滲む。歪む視界の中で、
二見の頬にも同じように雫が伝ったのを見た。
その雫が二見の肌を滑り落ち、鎖骨につけられた歯型に浮かぶ俺の血と混ざりあった。
「知りたない? ミヨシの
「ボクにも教えてくれへんかなぁ? ユウくん......」
触れるシーツから微かに香る和也の匂いに、
俺の思考は沼に突き落とされて、
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