12月8日 天気:晴れ

今日は一人で寿司を食べに行った。

昼前のまだ混んでいない時間の回転寿司は非常に気持ちがいい。

私はカウンター席に座ってコーンマヨ軍艦を16皿注文した。

少し待つと、レーンの奥から大量のコーンマヨ軍艦が流れてくるのが見えた。

あのコーンマヨ軍艦、妙にでかい。

こちらに向かってくるにつれてコーンマヨ軍艦はどんどん大きくなっていき、あと2メートルほどの距離までくると、物置小屋くらいの大きさになった。

そして、その軍艦たちが私の席に到着する少し前に、席に備え付けられているタブレット端末から爆音でアナウンスが流れる。

「間もなく、ご注文の品が夏祭りみたいな拷問を受けてまいります」

直後、コーンマヨ軍艦の中から計52人の法被を着た犯罪者が申し訳なさそうに出てきた。全員法被が良く似合っている。

「わたひは、まんびきをしへしまひまひは」

そう言った犯罪者は、歯が全て抜かれており、下半身のいたる所に『祭』という焼印を押されていた。夏祭り要素は祭だけだ。

日本の回転寿司人気が人権を無いものとした。

私は怖くなって帰った。

私が帰った後も、あの見世物は続いたのだろう。



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