第31話 都の歴史を護れ限界ヒーロー
21日 AM2:34 本國の隠し研究所
本國の指示により貴音専用の対E-4戦闘スーツを開発している中で彼が研究施設に訪れる。
「お疲れ様です、こちら好きに取っていってください。それで............間に合いそうですか?」
ラムネ、チョコレートなどのお菓子と冷えた紅茶や缶コーヒー、エナドリを大量に自身の本から取り出して差し入れる。
「お疲れ様です、ありがとうございます!大丈夫そうです!もう最後のデバッグの終わりらしいので。私の専門分野の事は終わったのでやる事は無いですがAIも今自らを確認しているでしょう」
人工知能のバースデーを組み込む役割の研究員がそう言うと本國は安堵した様に空いている椅子に座る。そしてここは一階はよくあるオフィスで地下二階までかなり広い研究施設が続いている防音完璧の建物である、世間では何やっているかよくわからないIT系の会社のフリをしている。
「梶原君が九条さんに組みついている間に接触部位からナノマシンを使い入り込み、彼女の中のバースデーをブースト。そうすればハッキングは完了して誰も傷つかずに済みそうですね。とは言え念には念を、私の本には最新技術の止血剤や輸血剤も備えていますがね。私の端末にもバースデーがいますし、最悪タブレットを接続すれば良いです」
かなり早口で自分ができるだけの対策を言う本國。
「......本國さんだいぶ焦られていますね。大丈夫ですよ、メテオブレイカーならやってくれます」
「だが......彼にこんな不幸な役目を押し付けて良いのか......今更過ぎるが結局私も自分が1番可愛いのだろう。だが今はもう信じるしかないですな、彼無くして作戦は成功しませんから......」
「そう......ですね。そう言えば彼は身内と友人の大半が殺されていましたね、忘れていました」
「人間、自分自身に直接関係ないことはどんな喜劇も悲劇もすぐに忘れてしまうものですね。しかし、アレほど薬師寺が下劣だとは思いもしなかったッ......あの時に私が何かしらしていれば......だが彼は私と違いめげずに鍛錬を続けて進化し続けている。そして
そう言うと立ち去る彼に挨拶をして研究員は差し入れを物色し始めた。
それから数時間経ち、その頃貴音は朝っぱらから京都に高速飛行して向かっていた。
――――――――――――――――――
AM:6:01 上空
「まだコキ使うならクビにすんなよな、クソッ。それにぃ!連絡時間が普通は寝てる時間だったぞっ!!はぁ、漫画みたいに主人公の付近でしか問題が起きる訳じゃあないからなぁ遠いなぁ......こっちはフギンまでどっか行っちまって大変なのによぉ......」
呑気に観光というはずも無く一方的に法律すら無視してクビにしてきた警視庁からの要請を受けて向かっている。腹が立つがテロのリークとの事で、私怨如きで死人は出したく無いと心だけが弱く崩れつつあるその身体で全速力で向かう。
「ふぅ......この辺りか............また警視庁に連絡するか」
(スマホのナビで来たから逆走しているとか言われて少しウケてしまった。いや、それより今回のテロはミーティアンが複数人確定か............所属はアナーキストユニオン、目的は京都の歴史的文化財を破壊し古き日本を壊しネオ日本にする為............馬鹿かな、聞き間違いだと思って2回聞き返しちゃったよ......)
アホさに呆れながら天を仰ぐ。そして到着し次の指示を仰ぐ。
「......あっ、もしもし?梶原です、京都に入りました。具体的に何をすれば良いのですか?」
(なんで携帯なんだよな、昔は無線使えたのによ。そのために免許だって取ったんだぜ)
「はい、こちら警視庁です。
「はぁ......では場合によっては飛び回る感じですね。わかりました、ではメテオブレイカー
(一部もう聞いたよ......にしても烏合の衆だと思っていたAUがドンドン成長していくのが恐ろしいな。今回でやる気を激減させるまで徹底的にぶちのめすか............)
「そうです。お願いします。そして今回のテロ阻止作戦の指揮権限は貴女を最高権限に任命します。遠慮無く現場の警察、自衛隊、ミーティアンのヴィジランテに指示をお願いします。失礼します。ご武運を」
そう言うと電話が切れる。厚遇なのか冷遇なのかわからないと思いつつも金閣寺まで一気に飛び、辺りを確認してから潜伏。
「無線だったらすぐに指示できんのによぉ............。にしても、すげー。中ってこんななんかぁ......釈迦如来像の迫力がすごい............」
呑気に普段入れない場所を目に焼き付けようと見回っていると再度電話。
「た、大変ですっ。AUの武装ヘリが多数出現、目標は京都御所ですっ直ちに向かってください!」
「それは数で焦らせるブラフでは?私をここから離す為の。それに民間のヒーローでその程度どうにでもなるのでは?」
「貴女がいる事は外部に漏れてはいないと思いますが......」
「警察が犯罪組織にスパイやってんすよ、AUの馬鹿の中でも聡明な奴が警察にスパイやっていてもおかしくないっすよ。全員に命令を伝えてください、飛行出来る者はヘリを墜落させる事なく無力化させる事。ここからもう私以外は隠れていても仕方ないので武装車両やヘリをこちらも使ってください。......あ、こちらにもやはり何か来ましたので切ります」
そう言うと隠れつつ外を見ると明らかに怪しい奴を発見。
「......あのデカいのは武装したアルマジロとダンゴムシのミーティアンか?後ろに武器をいくつか持っている緑のコンバットスーツを着た男............様子を見るか」
(能力はなんだ......?3vs1か、相手はスリーマンセル。不利だな、互いの弱点を補うタイプか?一点特化タイプか?)
ダンゴムシ、アルマジロ共に人間と本来の姿の中間地点の姿で殻もある。
得体の知れない敵がメテオブレイカーに挑むのにたったの3人で堂々と歩いて金閣寺に到着。その態度に警戒しているとすぐに男が拡声器で話す。
「なんだよぉ!やっぱりあっちに行って無えのかよ!......んだよ、上手くいかねぇなぁ............。はぁ、良いから早く金閣寺から出て来いよ、居るだろぉ?吹き飛ばしちまうぞっ!」
と男は何故か貴音の位置を把握していた。そしてすぐさま拡声器を投げ捨てて装備していた
(っ!?位置がバレてるっ!?耳が良いのか?それとも透視か?それにマズいアレはロケランだっ)
RPGを躊躇なく発射するも、貴音は無言で飛び出し弾を掴み投げ返す。だがアルマジロが盾になり防ぐ。爆発の煙の中を飛行能力で不意打ちし男を殴りかかる貴音、だがしかしその拳は空を切り回避されてしまう。大体これで、この1発の殴打で、いつも終わる筈なのに、避けられた事に危険を感じ貴音は距離を取った。
「私の拳を躱すとは......本当に私は1番上のランクなのか?それとも意外に沢山いるのか?」
自身の強さを疑い呟くと緑服の男が答える。
「いいやぁ〜、あんたに普通に挑んだら俺ァ確実に負けるね。それにアンタが想定よりデカくてビビっているよ」
「なら回れ右して自首してこい」
と男達が来た道を指差す貴音。しかし男は話し続ける。
「だが!だがなっ!確かに上空からの広範囲ビームや衝撃波となっちゃあ俺の力じゃあお話にもならない。しかし、あんたの今の目的はここを壊させない事だろ......?地の利は俺らにあんだよ、ジルマ!ゴダン!回転しろ!」
派手な攻撃を封じられた貴音相手には勝機があると踏んで挑んでくる3人。
「ええ、全てをすり潰しましょう」
とジルマというアルマジロのメスが答え丸まった。
「ジルマ!防御も忘れんなよっ。ヨウスケのサポートだ、俺はァ!!」
とゴダンというダンゴムシのオスは答え丸まる。
ヨウスケと呼ばれた男は目に見える武装は、腰にサブマシンガンのUZIを持ち太ももにナイフを装備。そして素手のまま貴音の方に向かう。
「飛べねえのにこっち来る意味あんの......うっ!うがぁああああ!!!!耳がっ......鼓膜が破けるっ!まるでアナログテレビの砂嵐が爆音で聞こえて来るような苦しい不快感っ!!」
急に歯や脳に響く様な大音量の騒音が聞こえ頭を抱えながら地面に落ちてしまう。
「ただ墜とすまでよっ。ジルマ、ゴダン轢き潰せっ!」
そう言うと両サイドから転がってくる3メートル越えの玉をなんとか手を伸ばし防ぐ貴音。耐え難い雑音による神経の痛みによる反射で出た涙が止まらない。
「げっ、幻聴を......はぁ......うぅ。き、聞かせるミーティアンかっ......幻聴系能力のキャラって爆音聞かせるタイプじゃねえだろ......」
(3人のうち誰なんだ......緑のヤローは多分フィジカル系、動物から人になった人達は高確率で人型化とフィジカル強化のセット+本来の動物の時の得意な事や武器を強化する能力だ。とはいえ例外に何個も力を持つ奴らこの目で見てきた、さて誰から倒せばいい?答えは簡単全員一気に吹っ飛ばすッ!)
そう言いながら2人を持ち上げ男に投げたが自身で二足歩行の形態に戻り着地。貴音は謎の騒音にフルパワーを出せず苦しむ。
「幻聴を聞かせる......か。違うね、能力が何なのか気づく前にぶっ潰してやるから気にするだけ無意味だぜぇ!!」
3人連続で殴りにかかってきたのを何とか捌いていると緑の男が巨体の2人の影から突然現れ顔面に不意打ちを喰らうと激しい痛みが貴音を襲う。
「あぎゃいあぁああああっ!!!い、痛いっ......ち、ちくしょう......怪我もしてないっ、そんな威力は無さそうなのにっ」
(?だが、雑音は消えたな......?尋常じゃ無い痛みは何なんだ?これは毒か?いや、私に毒はほぼ効かないはず......取り敢えず不意打ちでもするか)
転がって痛みで悶えている貴音は苦しみ続けながらの不意打ちでエネルギー弾を発射。だがゴダンの身を挺した防御により反射され貴音に戻ってくる。
「危ねっ......っい、いったぁッ!!」
普通に片手で己の攻撃を空に弾くもその手が痛む。
「話に聞いていたけど貴女、本当にヒーローとは思えないくらい不意打ちをするのね......。爆発の煙の中でも不意打ち、ヒーローとしてのプライドとか無いの?」
「勝てれば良いんだよ勝てれば。勝った方が正義なのは歴史が証明している、日本の最近の戦争の歴史を知ればうんざりする程にね」
(そもそもタイマンじゃないし多分悪人のお前らに言われたくないわ......)
とヒーローの主人公が言う事とは思えない事をいつも通り言う。だが無辜の民の命は意地でも守る、例え屈辱的な敗北をしても。
「アンタ精神性は中々アウトローだなぁ。どうせヒーローやっているけど創作物なら悪役が好きなタイプだろ。にしても日本の代表的なヒーローでファンに笑顔を振り撒きフェイカーの人権を求めたりとする割に、殺し以外ならどんな残忍な事でもすると秋葉原の電車の事件から裏社会ではアンタを恐れている情けねえ奴も多い」
「黙れ。無差別に人を殺したあいつらに慈悲はほぼ不要。ホームの1番奥に蹴り飛ばした奴はまだ入院中らしいがな」
(どいつもこいつもしつこいッ私は間違ってないんだっ!)
「......んーまぁ、なんだかんだで殺せない時点で甘いがな、生存情報をわざわざ確認しているのも。そして恐れている
「雇われか?腕章も無いしな、フェイカー引き連れて傭兵ごっこかい?」
「違う」
「じゃあ所属してんのか?」
「そこじゃあない、フェイカーを引き連れてのところだ。......俺もフェイカーだ。こいつらは同胞であり仲間だ」
そう言う男はどこからどう見ても人間であり元の生物の特徴が見られない。
「......お前は元は霊長類かな?私の経験からして」
「ご名答、流石元々オレらが住んでいた集合住宅を何回か守っただけあるな。俺は多分だがニホンザルって奴だ、尻尾もなく完全に見た目は人だ。ただ集合住宅はいっつも反フェイカーのデッドエンドからのテロ行為を受けている、そしてお前らヒーローは間に合わずフェイカーの味方ヅラの政府もまともに助けてくれない彼処は地獄になった。皆彼処から去った、そしてお前を倒せば人としての身分証と家が貰える、憎い人間からな」
「............それはすまなかった。私も警察をクビになってから情報を手に入れられない、遅い事が増えてし......」
「うるさいっ。俺はっ俺はこのほぼ虫の見た目で元虫以外のフェイカーからも気持ち悪がられた。お前らを轢き潰して革命を起こし人生をっ!ヒトとしての人生を得るんだ」
ゴダンが怒り単身で貴音に転がり襲いかかる。
その最中で貴音は心底やる気を無くしていた。
「............こんな仕事やりたくねぇ」
そう呟きながら軽く片手でゴダンの身体を受け止めるとゼロ距離エネルギー波を放つも無傷、ゴダンには全く効かなかったのである。
「ふぅ......ここで殴られていたら危なかったぞゴダンっ!俺らの時代を奪る為に冷静になれ!次は視覚だっ!!」
その瞬間貴音は目の前が真っ白になり眩しく目が開けられなくなる。だが閉じた瞼を貫通して光は突き刺すように視神経を刺激する。
「ぎぃいいいやぁああっ!!くそッ!目が見えんっ、だがわかったぞ感覚を増幅させる力だな。だから私の拳を回避したんだ、反射神経などを上げてッ。」
「わかったからと言って防ぐ手もねぇだろォッ!!!俺の視界からほぼ完全に消えるか距離をかなり取らねえ限り無駄なんだよォ!!」
そう言うと痛覚強化に変更した瞬間にUZIを乱射、貴音は痛みによろけた所でジルマとゴダンのローリングアタックをくらい痛みのあまり失神しかける。
「うげえっ......うぎゃあっ!............人の罪と悪、人の正義と規律、その全てがフェイカーにとって等しくほぼ悪なのだろうが俺は変えてみせる。だから俺に......賭けてみろッ!!!俺は共存の道を諦めないっ!だからっ!!」
そういうと立ち上がりエネルギー波が効きそうなジルマに向けて左手で放つもゴダンが防いだ。
「無駄だって分かれよッ
そう言いながらリロードして銃を撃つが痛覚強化されている貴音は怯まない。彼らの苦しみの方が深い、だから自分が苦しんでいる場合では無い、終わらせると。
「いいや。私はこのままビームで押し切る王道の倒し方はしない......喰らえっ
右手の指先にいつもの黒いエネルギー弾の少し小さい物が発生し連続して発射された。ゴダンは左手のビームを防ぐので手一杯のところで、貴音の新技の八咫烏。それは比較的小さいエネルギー弾が相手を追尾する単純なモノ、だがダンゴムシの内側は弱い為に数発喰らうと大ダメージ、なのでジルマが防ごうとするがエネルギー攻撃耐性が無い為に致命傷とはいかずとも再起不能になり倒れる。
普通はここでフルパワーで押し切るのがテンプレだが卑劣で慈悲深い貴音は致命傷を避ける為に八咫烏を使い無力化した。
「また......足を引っ張っちゃった............ぅ......」
「ジルマァァア!この野郎ッ!」
ダゴンがまた芸もなく殴りかかるがこちらは物理攻撃に耐性が彼女にく比べ弱い為にワンパンで気絶させられる。
「ぐべぇっ!??............」
「畜生っ!奥の手だ......
そう言うとヨウスケは4メートルくらいの猿になり上裸になる。
「こんな技見た事ないっ。なんだッ!??これがフェイカーの切り札かっ!??」
また危険を感じすぐさま空に逃げる貴音。
「ほぼ完全に人の見た目のフェイカーは特別な力を得る。俺の場合はハズレ能力だ、ただデカくなってフィジカルを強化するだけだからな。だがお前に使っていた1つ分の感覚強化を自身に重ねる事で最強の近接攻撃を成せるっ」
そう言うと大ジャンプしプロレス技のダブルスレッジハンマーを使い貴音を地面に叩きつけた。
(※両手を合わせて振り下ろす技、ドラゴンボールでよく見られる)
「ぐっ......ハッ!?うごあぁあっ!」
身体を起こした時にはこちらに本気で走りタックルしに来たヨウスケが、回避できる訳もなく吹っ飛ばされてその先に高速移動した彼が貴音を踏み潰し手足が動けない状態に。
「どうだっ!!俺の勝ちだっ!!ニンゲンッ!」
「し、知っているか?勝ち誇ったら隙が生まれるんだぜぇ............んがぁっ!!」
そう言うと口を大きく開けるとビームが放たれヨウスケは胴体にモロに当たり、その威力で空まで上がる。
「うおっ!?うおおおおおあおおっ!!!!」
上がるだけ上がって空中で止まった刹那に貴音は自身の拳にエネルギーを纏い拳によるラッシュをする。
「このっ!このっ!このっ!!こんのぉッ!!!う゛ううおぉおぃりゃああああああ!!!!!!」
ボコボコに殴り最後はいつも通り踵落としでフィニッシュ。彼ら単体ならば敵ではない貴音は下に降り立ち余裕の態度でヨウスケの様子を見る。
「......大丈夫か?」
「......まあ動けないが致命傷じゃあないな。............本当に甘いな」
「人の業の被害者だから特別サービスなだけだよ、ほらジルマとゴダンだっけ?なんとか起き上がってこっちに来たよ」
「......負けた。デッドエンド相手には一方的に倒せていたのになぁ......」
「盾しかなってない俺が悪いな」
そう話していると警察が駆けつけた。3人は諦め抵抗する気は無い。
「メテオブレイカー!ご無事でしたか!......この人達は?容疑者ですか?」
そう問われると頭と手を横に振りながら貴音は言う。
「いいやぁとんでもない、彼らは同胞を護る為に戦った勇敢な市民で助っ人です、なので至急救急車を呼んでください。ヒーローじゃないという理由で、もし治療費を警視庁がしなければ私に連絡してください。......あーっ、あとメインの悪人は仕留め損ないましたが完全撤退しました。一応後を追います」
「「「!??」」」
それを聞いて3人は驚いた。そして歴史的建造物は無事だが道の地面が陥没だらけになっており、警察は慌ただしく作業を始め救急車もすぐに来る事になり貴音は3人に向けて囁く。
「アンタらは純粋な悪じゃない。だから、
そう言いサムズアップし微笑むとその場を離脱し警視庁に連絡をする。
「もしもし?梶原です、金閣寺は守りました他はどうなりました?」
「皆さんの奮闘のおかげで大体何とかなりましたが宇治橋が少し損傷してしまいました。あと貴女が1番気になる死傷者の話ですが、敵味方問わず死者はいませんが集中治療室に運ばれた子がいるのが気がかりですね」
「子?子供が巻き添えを?」
「いえ、小学6年生で女の子の無所属の自称ヒーローです。今回貴女の様に各地から戦闘タイプのミーティアンを雇い呼んでいたのです、彼女のご両親からも許可は得ていますので。と言う訳なのでクビになってしまった貴女にも今回は相当な額の給料が支払われますよ」
「っ............そうですか。それはいい、私の給料全部その子や被害者に寄付してください。ちなみにどこ在住ですか?落ち着いたら一度会ってみたいです」
そんな子供を戦わせるなと言いたいがわざわざ呼んだと言う事は強いと言う事であり、自身も見た目が子供のフギン、シュヴァルに戦わせているので文句を言える立場では無かった。
「埼玉です、名前を検索すればヒットするくらいには有名ですよ」
そう言うと検索しているのか少し無言の時間があった。
「確か......これだ、名前は
「......聞いた事あるような無い様な............それより1人で行動させていたんですか?」
(ルミナスとステラを合わせた造語なのか、ルミナとステラを合わせた造語なのか気になる、あんまり意味変わらないけど............いや、そもそも今はそんな事はいい)
強いとはいえ子供、1人で行動させていたら許せないと思い質問するが返答で彼女は本当のヒーローだと知る
「いえ......自分の担当する場はすぐに処理して、劣勢の現場に駆けつけて負傷者を逃す為後退する時に
「......私より勇敢ですね、無事に治ると良いのですが......。それでは私は帰宅します。そしてその子に伝えておいてください、私が会いたがっている事と面会の拒否をしても良い事を」
(子供に平気で武器使用の攻撃できるなんてマジで何考えてんだよクソが。無事に治ると良いんだけど......)
そう言うと電話を切り帰宅した。
そしてフギンはすぐに帰って来ていた。やはり優しい人間は貴音の周りの人(BBも含む)だけと悲しげに言う、真っ黒な眼球を潤ませた彼女を抱きしめるのであった。
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