散文集(376~400)

ごこちゃん

376_立派で大きいお面

初めてお面をつけたのはとおの昔

理由はもう忘れた

外し方も忘れた

ただ外すと死んでしまう事は分かる


人工物だというのに顔と癒着している

自暴自棄かあるいは正気に戻った時に

無理やり外そうとすることもある

それでも痛い痛いと泣いて叫んで

このままでいいかという気持ちが勝る


初めてお面をつけたのはとおの昔

理由はもう忘れた

外し方も忘れた

ただ年々大きくなっている事は分かる


無機物だというのに顔全体に広がっている

人前ではいい人明るい人都合のいい人

バレないために外でも内でも笑って

維持していくためだけに今日も生きる


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散文集(376~400) ごこちゃん @goc0_c

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