第14話 遺跡を守る守護者との戦い
フェンと俺は崩れゆく遺跡を駆け抜けながら、目の前に立ちふさがる巨大な守護者を見上げた。10メートルはあろうかという巨体が、まるで遺跡そのものが意思を持ったかのように動き出す。
石と風をまとった巨体が地響きを立てて動く。俺たちはその巨体に圧倒されていた。
「勝よ、あれは……!」
「デカすぎだろ……どうすんだよ、これ!」
「妾は焦ってなど……ないぞ!」
尻尾がブンブン揺れ、ついには小さな石につまずきかける。
「お前、完全に動揺してるだろ……!」
「フェンちゃん、焦ってるところも可愛いねえ」
「貴様ら、とりあえず先手を取るのはどうだ!!」
「……何か弱点があるはず」
「とりあえず攻撃してみたら?」
「勝にフェン、攻撃を頼む」
ひとまず俺たちが攻撃をしてみることにした。
守護者が重い腕を振り上げたかと思うと、風を裂く音が鳴り響く。次の瞬間、巨体の拳が地面に叩きつけられ、衝撃で俺たちの足元が揺れた。
「うおっ! 近づくのも命がけだな……!」
守護者の拳が地面に叩きつけられるたび、遺跡が大きくえぐれ、大穴が広がる。
「うおっ! こんなの当たったらひとたまりもねえぞ!」
「行くぞ、フェン!」
「承知のう!」
俺とフェンが先陣を切って「ウィンドクラフト」で一気に距離を詰める。
守護者が重い腕を振り下ろすが、風を纏ったフェンの動きなら回避できる。
「ウィンドカッター!!」
俺の魔法が石の巨体に直撃する――が、無傷だ。守護者を包む青白い光が攻撃を弾き返している。
「な、なんだこいつ……防御結界か!」
後ろではオーリス、ノクス、リリス、ブレイズ、シエロがそれぞれの魔法を放つが、やはり結界に阻まれてしまう。
「ただの魔法ではダメージが通らないみたいだな!」
「なにか弱点がありそうじゃな……」
「グハグハグハ! 我に弱点などあり得ぬ!!」
「おい、あれを見ろ!」
俺は遺跡の片隅に古びた装置を見つけた。石造りの台座には5つのスポットが光っている。
「魔力集束装置か……?」
「そ、そこに触れるな……! 貴様ら、許さんぞ!」
(守護者の声が遺跡全体に響き、地面が揺れる)
「あの青白い光、守護者の防御結界だな。恐らく、あのコアに魔力が集中しているんだろう」
「つまり、コアを破壊すれば――結界が消える、ということじゃな!」
俺がオーリスたちにスポットを指示する。
「オーリス、光の魔法で左のスポットだ!」
「任せろ!」
「ノクスは闇の魔法! 右のスポットを頼む!」
「了解だ……!」
「ブレイズは火の魔法を頼む! 真ん中から左のスポットだ!」
「貴様に指図されずともわかっとるわ!」
「シエロは水の魔法だ! 真ん中から右のスポットだぞ!」
「俺っちに任せておけって!」
「リリスは風の魔法! 真ん中のスポットだ!」
「僕ちんにお任せー!!」
フェンと俺は「ウィンドクラフト」を活かして守護者の攻撃を引きつけ、仲間たちを援護する。守護者の腕が激しく振り下ろされるたびに遺跡が揺れ、瓦礫が降り注ぐが、風でタイミングを見極めながら仲間たちを守る。
「魔力スポットに光が集まってきたぞ!」
全員の魔力が収束装置に流れ込むと、装置がうなりをあげて光を放ち始めた。
「全員、コアに向けて撃つぞ――!」
「シャイニング・ランス!」
オーリスの光の槍が閃光となって飛ぶ!
「デモン・ウェーブ!」
ノクスの闇が波動となって地を這い、守護者に迫る。
「ブレイズ・キャノン!」
ブレイズの炎が爆発的な力を持って放たれた。
「アクエリアス・アロー!」
シエロの水の矢が鋭く大気を裂く。
「ウィング・バレット!」
リリスの風の弾丸が音速で加速し、コアを目指す!
五色の魔法――光と闇、炎と水、そして風――が装置に収束し、渦を巻くように絡み合う。
その光は次第に純白の輝きとなり、遺跡全体を包むほどの巨大な柱へと変わった。
「いけえええええええ!!」
全員の叫びと共に、柱は天空から降り注ぐ神罰のごとく、守護者の胸部のコアを直撃する!
光の束が守護者のコアを貫いた瞬間、青白い結界が音を立てて砕け散る。まるでガラスが砕けるような鋭い音と共に、巨体がゆっくりと崩壊していった。
「やった……倒したのか?」
全員が息を整えながら守護者の残骸を見つめる。
『なんと! フェン様と若き龍の精鋭が力を合わせ、遺跡の守護者を打ち倒しましたぞー!!』
「ふむ、即席のチームにしてはよかったな」
「……楽しかった」
「ふん、まあ貴様らとなら共闘も悪くはなかったぞ!」
「俺っちも楽しかったぜ!」
「次は僕ちんが一番乗りだもんね!」
リリスがはしゃぐ隣で、ノクスが静かに息を吐く。
「……悪くない戦いだった。」
オーリスが光の槍を消しながら微笑む。
「次も共闘なら、頼りにしてやるぞ」
ブレイズが照れ隠しに顔を背けるのを見て、俺は笑った。
守護者との戦いが終わり、3つ目の輪っかが出たのでみんなでくぐる!
崩れ行く守護者の残骸を背に、俺たちは息を整えた。
「勝よ、次の輪まで――全力じゃ!」
フェンの目は、すでに次の戦いを見据えている。
「よっしゃ、行くぞ!」
強敵≪ライバル≫たちの笑顔が風に吹かれ、空島の大地に新たな勝負の風が舞い上がった――
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