エピローグ


 ガキの頃から五人一緒で、性格も、性癖も、知られたくない事でも何でもかんでも、全員が全員の事を嫌ってくらいに知ってるから、誰が何考えてるのかは手に取るように分かる。



 だけどあのミヤビの行動は、完全に予測不能だった。



 俺が知ってるミヤビは、上の指示に反してまで、女を助けるような奴じゃない。



 俺らを守ったり助ける為にならそういう事もすると思うが、これまでのミヤビは「何で女の為にそこまでしなきゃなんねえんだよ」と平気で言うような奴だった。



 だからあの女は、ミヤビにとって何か思うところがある存在なんだろう。



 それが何なのか知らねえが、何かはあるんだろう。



 恋愛の「れ」の字も分からねえって言う、女に全く執着しないミヤビに、あんな行動をさせる女なんだから。



 あのあと、コートを着ないでひとりで地元に戻ってきたミヤビは、女の事について特に何も言ってこなかった。



 言ってこねえからこっちも何も聞かなかった。



 結局ミヤビがその女の事を口にしたのは、それから結構な日にちが経ってから。



 その女にまた会う事になったのも、同じくらいの時期だった。





 Legion of Knights 完

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