第25話:姫、ついに18才になる。

そして・・・そしてついに姫の18才の誕生日がやってきた。

三月三日、ひな祭りの日が姫の誕生日。


ひな祭りの日だろうが誕生日だろうが関係なく、朝、姫は二階から降りて来る

なり相変わらずパンツしか履いてない。

そこは成長しないんだ・・・学習もしないし・・・。


「姫、誕生日おまでとう」


「ありがとうツッキー」

「私、18才になったよ・・・18才だよ」


「分かってるよ・・・」


「チューして・・・」


「さっそくか?」


しかたなくでもないけど、俺は姫の唇にチューした。

まあ、恋人同士のモーニンングキスだと思えば。


「楽しみだね・・・ね、ツッキー」

「おっぱい、舐める?」


「あ〜いやいや・・・朝からまじで俺を興奮させてどうすんだよ」


姫は嬉しそうに見たことないような笑顔で俺を見た。


「嬉しそうだな・・・」


「私、満月の夜まで待たないから・・・」


「え〜、満月って関係ないのかよ」


「前倒しよ、前倒し」


「それ好きだな」


姫はめちゃテンション高めで学校へ出かけて行った。


姫の誕生日のことはヨコチも知っていて学校で姫はヨコチから誕生日プレゼント

なんかもらったらしい。

お返しに姫から、ほっぺたにチューなんかしてもらってヨコチは気を失ったって、

後から姫から聞いた。

やっぱりヨコチは憎めないヘタレだな。


でも以前の姫なら、ほっぺたにチューなんかしなかったよな・・・。

少し穏やかな性格になったのかな。


俺や、ヨコチ・・・仏像仮面ブッダーとの日々の中で成長していったんだろう。


姫は学校から帰ってくるなり、俺にまとわりついていた。

俺といないときは姫がトイレに行ってる時くらいか・・・。

逆に俺がトイレに行ったら姫も一生について来た。

さすがに中まではNGを出したが、それでも俺がトイレから出るまでドアの前で

待っていた。


「あのな・・・そういうこと、これからも毎日続けるつもりか?」


「ウザい?・・・」


「まあ、正直言うと・・・」


「分かった、やめる・・・けど、お風呂は一緒に入ってね」


「え〜まじで?」


「だって、もう18才だもん」


「あ〜いや〜・・・それは・・・あはは、まあいいけど」

(18になったとたんに攻めてくるな・・・)


ソファーに座っていた仏像仮面はその光景を見て満足そうな顔をしていた。

って言っても仮面をかぶってるので表情なんか見えるわけないんだけど、

なんとなくそうなんじゃないかって俺は勝手に思った。


夕方近くになって仏像仮面ブッダーがソファーから、すっくと立ち上がると・・・


「おふたりとも素敵な夜を・・・でござる」

「あ、それから、これはそれがしからの余計なおせっかいプレゼントでござる」


そう言うと仏像仮面はマントをひるがえしながらベランダに消えていった。


テーブルの上をよく見ると、小ぶりの箱が・・・なんとコンドームじゃないかよ。

気がきくじゃないか仏像仮面ブッダー。

今夜は満月じゃなかったが、雲ひとつない夜空・・・・澄んだ空にまたたく

星が輝いていた。


結局、満月なんか関係ないんだ。

姫は朝から上機嫌だったもんな。


とうぜん俺の部屋にやってくるわけで・・・


「ツッキー、一緒にお風呂入ろ」


「お、おう・・・」


なんで俺が緊張してんだよ・・・たかが風呂だろ。

姫は緊張もなにもしてないのに俺がビビってんのか?


俺はちょっとドキドキしながら姫と風呂に入った。

初めてパンツを履いてない姫の体を見た。

おっぱいは、嫌という程見てるけど・・・。

こういう時は案外、俺のアレも元気になることを我慢してる。


湯船に入ると、姫はさっそく俺にチューをしてきた。

俺んちの風呂はふたり迎え合えば、ちょうどぴったり湯船に浸かれた。

姫は風呂に浸かってる間中、ずっとチューをしていた。

風呂から出るまでに疲れそうだった。


これから毎日姫とこうして風呂に入るんだな俺は・・・。

いっそ、結婚してもいいと思うけど、今の俺じゃ姫を養っていけないからな・・・

そういうことは当分お預けだな。


「ツッキー・・・おっぱ舐める?」


「舐めない・・・」


「そう言うのは風呂から出てからな・・・風呂くらいゆっくり入らせろよ・・・」


とは言え、姫と一緒に風呂に入った時点で、ゆっくりなんかできないことは

分かってた・・・。


つづく。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る