37 狂気の炎

リヴォールの姿はますます巨大になり、その炎の力は空気を引き裂くほどの迫力を持っている。

空中で戦う俺にとって、あの炎の魔力は避けて通れない存在だ。

リヴォールが一振りしただけで、周囲の空気が焼けるような熱波に包まれる。

その熱さは、目の前の障害物さえ焦がすほどだ。


俺は次々と魔法を展開し、空中でバランスを取る。

その動きの中で、炎と闇の波が俺に迫ってくる。

リヴォールはその攻撃を意図的に乱発し、俺の動きを封じようとする。

だが、神威の助言を思い出す。

彼の声が頭に響く。


「お主の力がまだ発揮されていない。もっと魔法を連携させ、相手の動きを誘導しろ。」


その瞬間、俺の意識が引き締まり、体が一気に反応した。

次に放つべき魔法を冷静に組み立てる。

まず、霊刃を構え、今度は黒炎だけでなく、氷結の魔力も同時に放つことを決める。

その魔力を互いに交じり合わせ、リヴォールの攻撃の隙を見つけ出すのだ。


炎と闇の波動がぶつかり合い、周囲が揺れる。

その中で、俺はただひたすらにリヴォールの隙を探し続けた。

魔法を巧みに使い分け、空中でその攻撃をかわす。

だが、リヴォールの力は強大だ。

その魔法は圧倒的で、俺の体に重圧をかける。

背後に迫る魔力を感じながらも、空中で冷静に次の一手を考え続ける。


リヴォールの目がこちらを捉え、次の攻撃が放たれる瞬間を見逃すわけにはいかない。

炎がどんどん広がり、暗闇が俺を包み込む。

だが、その炎の中に隠れた隙を見つけ、すかさず反撃を加える。

黒炎の霊刃を振り、魔力を集中させる。

リヴォールがその攻撃を受け止める一瞬の隙に、俺は爆発的な速度で魔法を放つ。


「これで――」


その瞬間、リヴォールは防御を固めたが、炎と氷の交じり合う魔力がその隙間を突いていく。

彼の攻撃の波が一瞬だけ弱まった。

しばらくの間、俺の魔法の威力が増していくのを感じる。

リヴォールが咆哮し、巨大な炎を放つ準備を始めた。

だが、その攻撃をかわすことで、俺はさらに彼の魔力を分散させ、次の攻撃に備える。


「お前の力、ここで終わらせてやる」

確信を持って言い放つ。


リヴォールの反応を冷静に見極め、空中での戦闘を続ける。


次々と繰り出される魔法の中で、リヴォールの攻撃をかいくぐり、また反撃を与え続ける。

彼が発する圧倒的なエネルギーが徐々に弱まっていくのを感じながら、俺はさらに魔法を重ねていく。



魔法が最高潮に達し

再び霊刃を握りしめた瞬間

リヴォールの姿が完全にぼやけ

炎と闇が交錯し始めた


俺はこの瞬間に全力を注ぎ込み、決着をつける覚悟を決めた。


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