第38話
冒険者ギルドに戻ってきたサノス達はギルドマスターに呼び出されていた。
「予定とは違いましたが今回はありがとうございました」
そう言ってギルドマスターは頭を下げる。
「いえ。我慢できず暴れてしまって・・・」
「自分の身を守るのは当然のことですよ。冒険者ならなおさらです」
そう言ってギルドマスターは許してくれた。
「ちょっと俺はギルドマスターと話があるから先に酒場に行っててくれ」
そう言ってサノスは他のパーティーメンバーを部屋から追い出した。
「それで、お話とは?」
「商会の中で気になる物を見つけてな」
そう言ってサノスはギルドマスターにそれを見せる。
「これは・・・」
「やはり知ってるようだな」
「頭を突っ込めば厄介なことになりますよ?」
サノスの見せた物は闇ギルドの一員であることを示すプレートだった。
「こういった手合いの扱いは慣れてるからな」
「慣れてるって・・・」
「細かい突っ込みはなしで頼むぜ」
「わかりました。ですが、私からは何も手助けできませんよ?」
「情報をくれるだけでいいさ。後はこちらで対処する」
「そうですか・・・。健闘を祈ります」
ギルドマスターから情報を貰ったサノスは1人、冒険者ギルドを後にした。
冒険者ギルドを出たサノスが向かったのは廃墟が広がるエリアだった。
どんな街にも栄えている場所とその恩恵から外れた場所があるものだ。
目的の建物に到着すると門番なのだろう。
ガタイの良い男が待機している。
「兄ちゃん。ここに何の用だ?」
「何。お前らのボスにちょっとした挨拶をな」
「挨拶ぅ?お前のような奴に会うわけないだろ」
「なら、強引に通させてもらおう」
サノスは身体強化で体を強化してから門番の男を殴り飛ばす。
「ふむ。鍵は持っていないか」
サノスは仕方ないので門を殴り飛ばしそのまま建物の中に突入した。
「さてさて。どれだけの数がいるかね?」
酒を飲みつつ適当に建物内を進んでいく。
次々に構成員が現れ行くてを阻むがそれぐらいでサノスは止まらない。
「ふむ。ここかな?」
ぱっと見は普通の部屋だが、他の構成員より強そうな気配のする部屋に入る。
「ようこそ。闇ギルド、アクアバットに」
「お前がここのボスだな?」
「まったく。今日は厄日だな。傘下の商会は捕まるわ。君のような者が訪ねてくるわ」
「それは悪かったな」
「要件を聞こうか?」
「悪を断つ剣。幻想と言われようとも、我の歩む道は止まらない」
「っ・・・。その言葉は・・・」
闇ギルドにとってこの言葉はタブーだ。
多くの闇ギルドがこの言葉と共に潰された。
「要件は俺達に関わるな。わかったな?」
闇ギルドのボスは冷や汗をかきながら頷いた。
これで、余計なちょっかいは出されないだろう。
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