第19話
「さてと。まずはそれぞれの実力を見せてもらうか。最初はジントからでいいか?」
「わかった。それで実力を見るってどうやるんだ?」
「俺と模擬戦をしてもらう」
「わかった」
サノスとジントは訓練場に備え付けられている木剣を手に対峙する。
「先手は譲ってやるよ」
「いくぞ!」
そう言ってジントはサノスに向けて突っ込んでくる。
その勢いのまま剣を振るってくる。
「ふむ。思いきりはいいが・・・」
サノスは半歩動きその剣をかわす。
ジントはその後も積極的に攻めてくるがその剣がサノスに届くことはなかった。
「はぁはぁ・・・。マジかよ」
「これぐらいでいいだろ。それだけ疲れるのは無駄な動きが多いからだ。素振りを教えてやるからそこからだな」
「悪いけど少し休ませてくれ」
「その間にアマンダとカノンの実力を確かめるさ」
「じゃぁ。私からでいい?」
そう言ってアマンダが声をかけてくる。
「俺は構わないぞ」
アマンダは訓練用のこん棒を手に取って構える。
「先手は譲ってやるよ」
「いくわよ」
アマンダはこん棒を振りかぶって殴りかかってくる。
基礎はしっかりできているようで中々良い攻撃だ。
が、サノスから見れば隙だらけである。
反撃しようと思えばいつでもできたがアマンダの攻撃を避け続けた。
「くやしい!一発ぐらいは当てられると思ったのに」
「筋は悪くなかったぞ。アマンダには身体強化を教えてやるから、少し休んでろ」
「うん・・・」
「次は私ね」
そう言ってカノンが杖を構える。
「訓練用の的に今出せる最大魔法を撃ってみてくれ」
「わかったわ」
カノンは精神を集中させ詠唱を唱える。
「我が敵を貫き焼き尽くせ!ファイヤーランス!!!」
カノンの放った魔法は勢いよく的に向かって飛んでいく。
槍としての性質で的を貫いた後、的を燃え上がらせる。
「ふむ。狩りでは火魔法をは使っていなかったが得意魔法は火か?」
「そうね。森だと火事の可能性があるから使いどころがないのよね」
「なるほどな。未熟な魔術師だとその可能性があるな。そうならないように精密な操作を覚えてもらうか」
「精密な操作?」
「まぁ。手本を見せてやる」
そう言ってサノスは目の前に火を出現させる。
出現した火は安定しており規則正しく燃えていた。
「これが手本な」
「そんなの簡単よ」
そう言ってカノンは目の前に火を出してみせる。
だが、サノスの火と比べてその火の状態は不安定だ。
「魔法はイメージが大事だ。安定した火を出せるようになるまで続けてくれ」
「わかったわ・・・」
自信があっただけにカノンは悔しそうにしている。
だが、次の段階に進むためにも基礎的な部分は大切だ。
基礎を固めるだけでも3人はかなり強くなるだろう。
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