第3話 新しい友達ができると幼馴染って不機嫌になりがちだよね
入学初日のカラオケ親睦会という超重大イベントを断ろうとした二人を説得したところ、渋々と言った様子だったが、何とか付いてきてくれた。
そうして、カラオケに着いた俺は______
現在、そんな二人を放置している。
そして、このクラスのトップカーストになるであろう坂田山さんと親睦深める為に、果敢に話しかけていた。
「坂田山さんっ!今日は誘ってくれてありがとね!」
「あはは!そう言ってもらえると誘った甲斐があるよぉ〜」
「そうだっ!坂田山さんの事、雨ちゃんって名前で呼んでも良いかなっ?」
「うん、いいよぉ。私も楓ちゃんって呼ぶ事にするねぇ〜」
雨ちゃんは、何というか......ふわふわした綿菓子みたいだなぁと思った。絵麻も雛も綺麗系だとすると、この子は可愛い系に分類されるだろう。
「あっ!私の入れた曲だ!ごめんね、雨ちゃん話してる途中なのに......」
「大丈夫だよ〜。楓ちゃんの歌、聴くの楽しみだなぁ〜」
やばい、凄くキラキラした目で見つめてくる。可愛すぎないか?
よしっ!ここは、期待に応えるとしますか!
「それじゃあ、聴いてくださーい!backnumberの水平線っ!」
俺がそう言って歌い出すと、雨ちゃんがスマホのライトを掲げて、頭の上で曲調に合わせながらゆっくりと左右に振ってくれた。
すると、他のクラスメイトも同じようにスマホを掲げてくれて、カラオケのルーム内は、さながら小さなライブハウスのような一体感を持ったのだった。
しかしながら、そんな雰囲気のなかで、たったの二名だけ......不機嫌な顔をしながら、ひたすらにポテトを食べたり、ジュースを飲んだりしている女子がいたのだった。
......いや、無理に連れてきたくせに放置したのは、確かに酷い仕打ちだと思うけど!二人の仲を取り持つと言いながら、全く取り持っていないのも確かだけれどっ!
そんな眼で、俺を見ないでくれぇ!!
好きな曲を歌って楽しみながら、この埋め合わせは必ずしようと、俺は心に誓うのであった。
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