第17話 華麗なる殺人ショー
私達は、黒髪のエルフが持つ杖から伸びた、魔法のチェーンによって網ごと引きづられる。
「早く出せよ!!」
ガキンさんが、黄色い網の中で暴れる。
それにより、ガキンさんの手が、網に当たり、激しい電撃が私達の体を巡る。
「うにゅ。」「ああ。」「っ!」
私、ガキンさん、キズーさんが体に走る電撃に苦しんでいると、黒髪のエルフが言った。
「あまり暴れるものではないぞ。我が暗黒の力で作られし網は逃げ出そうとする者を、より苦しませる。」
「いいからここから出せ!どこまで連れていく気だ!」
ガキンさんの言葉に猫が答える。
「さきほど、『クラウンタウン』へ連れていくと言ったでしょう。」
「だから!どこだよ!そこ!」
ガキンさんの言葉に、猫は答えず先を進む。
無視されたガキンさんは、何度も意見するがエルフも猫も答えなかった。
──────────
「着きましたよ。」
猫がそう言う。
私達が、外を覗くとそこは、暗い夜を照らすようにそこら中でピカピカと光を放つ大きな会場のような場所だった。
「まるで、サーカス会場のようだ。」
キズーさんが、目の前の場所に唖然としながら言う。
ガキンさんは、目の前の場所を見て唾を飲んだ。
エルフに引きづられ、私達はその場所へ入る。
「驚いたか?ここが闇に隠れ、魔法の光ともる…。」
「ここが我々の住む街、『クラウンタウン』です。」
エルフの言葉を再び、猫が遮って、話す。
言葉を遮られたエルフは、猫を睨んでいたが、猫の方は全く気にしてない様子だ。
──────────
私達は、街の端にある、人1人が入れる程度の建物?縦長の箱のようなものに連れてこられた。
猫がそれの扉を開けると、中には地下へと続く階段があった。
エルフは階段に、私達を落とし、彼らも階段を下りる。
階段の下には、暗い部屋があり、目の前には真っ黒な大きい板があった。
その板が突然光り、青髪を短くした長身の男性がその板に現れた。
「スペードさん、例の人間族とスライム族を連れてまいりました。」
猫が、青髪の男性、スペードさんにそう言う。
「ありがとう。猫おじさん、暗黒の力に目覚めしエルフさん。」
スペードさんが2人をそう呼んだ。独特な名前だなぁ。
「これで、景品は我らが頂いていいんだな?」
暗黒の力に目覚めしエルフさんが、そう聞くと、スペードさんは頷いた。
「ああ。その通りだ。ふたりとも準備をしていてくれ。」
その言葉を聞いた、暗黒の力に目覚めしエルフさんと、猫おじさんは階段を昇って出ていった。
「さて、君達よく来てくれたね。」
「てめぇらが連れてきたんだろうが!」
「僕達をどうするつもり?」
スペードさんの言葉に、ガキンさんとキズーさんがそう返す。
それに対して、スペードさんはこう答えた。
「君達にはこれから、殺人ショーに参加してもらう。まぁ、殺人ショーといってもデスマッチだから、運よく君達が勝てれば、生き残れるかもしれんが。」
「はぁ!誰がそんなのやるか!」
怒鳴るガキンさんに、スペードさんが言う。
「やるしかないんだよ!」
スペードさんが2回、手を叩くと、どこからともなく3体の鎧が現れ、電撃の網を解除し、私達をそれぞれ別の方向に連れていく。
「これは、ロボット⁉」
キズ―さんがそう言っているのが聞こえた。
しかし、そんな声も遠くなっていった。
──────────
真っ暗な部屋で私はロボットに投げられた。
ロボットに水のマナがめぐってることを除けば、この部屋にマナの異様な動きはない。
暗闇の中で、奇襲をするという考えはないらしい。
そんなことを考えていると、突然後ろから光が漏れ始めた。
私がその方を見ると、後ろにあったドアが開き、大きな拍手が聞こえた。
「さぁ、いよいよ始まります。本日のメイン!2人の人間と、なんとなんとそんな奴と一緒に暮らすスライムを殺す、最高のショー!!」
スペードさんの声が会場に響く。
私が、暗い部屋から出ると、そこは円状の大きなところにいた、そこを囲うように、多くの生き物が席に座って、目を輝かせていた。
「リチュ姉!!」
そんな声がして、私が右隣を見ると、そこにはガキンさんがいた。
「ガキンさん!」
私は彼の元へ行こうとしたが、私は何か薄水色の透明な壁に当たる。
「ご覧の通り、それぞれの間には『
スペードさんがそう言うと、会場がより盛り上がった。
「さっきからなんなの。この盛り上がりは。」
私の左側にはキズーさんがいて、彼女はそう呟いた。
「そして彼らを相手するのは〜。こちらの3名!!」
会場が急に真っ暗になる。
3つに別れた会場のうち、キズーさんのいる部分が明るくなる。
そしてそこには、左手を自分の顔に当て、謎のポーズをとっている、暗黒の力に目覚めしエルフさんがいた。
「魔術師である黒髪の相手をするは!スパチャ額がファンの中でも最大。僕達に暗黒の力を見せてくれ!暗黒の力に目覚めしエルフさんだ!!」
スペードさんの言葉に周りは盛り上がる。
暗黒の力に目覚めしエルフさんは、少し歩き言う。
「さぁ、黒髪の人間よ。我の力に跪き、恐れおののくがいい!!」
そして今度は、ガキンさん方が明るくなる。
そこには、シルクハットを深く被り、杖にもたれかけた猫おじさんがいた。
「金髪の子供の相手をするは、勝敗賭博で負け知らず、
再び盛り上がる会場。
猫おじさんは、軽く屈伸した後、紳士的にお辞儀をする。
「さて、全力で来なさい。舐めプ等せず相手してあげます。」
今度は、私の部分が明るくなる。
「さて、最後。人間の味方をするスライムの相手は、この依頼を持ってきた本人!ゴブリンキングさんだ!」
私の目の前には、王冠を付け2つの剣を持ったゴブリンがいた。
周りはあまり盛り上がらなかったが、ゴブリンが私を見て、上げる唸り声が、会場に響いた。
「さて、それでは
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