続・いつか恋は愛になる
水島あおい
第1章 ひとひらの恋
第1話
春が来た。
春は恋の季節というだけあって……
と言っても此処ホワイトロードでは年中女の子達の恋の相談が続いている。
話を聞いているのは桐野優弦だ。
優弦は高校3年間+大学の2年間此処でバイトしている。
北陽大学医学部の3年になったばかりだった。
悩み事を相談して来るのは、高校生や大学生がメインだが、中には大人の女性からもある。その中には優弦へのアプローチも含まれているが、優弦には同じ医学部の同級生に彼女がいた。
カラーン
鈴の音がして本田真有が店内に入って来た。可愛い女の子を連れている。
5歳になる妹の皆帆だ。
「いらっしゃいませ」
「こんにちは。皆帆ちゃん」
2人はテーブル席に着いた。
「あのねー。ゆず。皆帆ね。カレーパスタ食べに来たの」
皆帆は以前、医学部の友人達が集まった時に優弦をゆずと呼んだのを見て、それからお兄ちゃんからゆずに変わっていた。
「マスターの自信作なんでしょ。そう言う事で父さんも遅いし、食べに来ましたー」
真有は明るい笑顔で優弦を見た。
「食べに来ましたー」
皆帆も続く。
優弦は思わず、春の木漏れ日のような笑顔を見せた。
「はい。かしこまりました」
優弦はそう言うとマスターの所に戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます