第19話

 2人がなにやら真剣に話していたので俺はもう少し後からいこうと思い、こぼれて飲めなかったコーヒーを淹れて一息つく。


 ふーオムライス全部食べてくれたみたいでよかった。つい勢いで英梨さんのオムライスにはハートに名前とイタズラ心でやってしまったが大丈夫だろうか?置いてから戻る時になんか冷たい視線が背中に感じたが聞くのが怖いな。


「ケー兄こっち来て〜」とゆいちゃんの声が、キッチンに聞こえて来る。


「んっどうした?流石にオムライスのおかわりはないぞ」


「もうお腹一杯だよ。本当に本当に美味しかったよ。こんなご飯食べたの初めてだよ」


「俺なんかの料理で喜んでもらえたなら嬉しいよ。ところでなんで呼んだの?片付けなら今から皿を下げてやるけど」


「違うよ、なんか言う事あるんじゃない?お姉ちゃんの関係とか」


 俺は、英梨さんの方を一目見ると恵梨さんも大丈夫だよと言っているかのように頷いてくれる。


 俺は、恵梨さんの横に移動してゆいちゃんの方を見て口を開く。


「なんかもうバレてるみたいだけどちゃんと俺の口から言わないとダメだよな。改めて今回恵梨さんの婚約者になった新田唯斗だ。まーなんでこうなったか色々説明しないとあれだけど、難しい話になっちゃうからとにかく簡単にいうとゆいちゃんのお義兄さんになったと思ってくれていいよ」


「じゃーケー兄は本当にゆいのお兄ちゃんになってくれるの?」


「そうだね、ゆいちゃんのお義兄さんになるの許してくれるかな?」


「ケー兄はお姉ちゃんをちゃんと守ってくれる?お姉ちゃんゆいのために頑張ってくれていたから、ゆいもお姉ちゃんの為に頑張りたいけど、でもゆいはまだダメダメだからかわりにケー兄がこれからお姉ちゃんを守ってくれる?」


「もちろん、これからは俺が英梨さんのことを守っていくよ、もちろんゆいちゃんのこともね」


「なら私からはいうことはないかな、これからよろしくね。あっでも一つあるかなーえーとね」


 ゆいちゃんはもじもじして言いづらそうにしている。


「なんでも言ってくれていいんだよ」


「あのね、さっき指切りしたことなんだけどお姉ちゃんあまり料理はあれだからケー兄がご飯作ってくれたら嬉しいなって。その代わり料理以外はお姉ちゃん出来るから」


「あーそのことか、それなんだけど婚約をするうえで俺は、料理以外ダメダメ英梨さんは逆に料理がダメダメってわかったからそこはお互い支え合おうって話をしていたから料理は任せてもらっていいよ」


「それ、本当だね。またケー兄が料理してくれるんだね?」


「料理以外出来ないのが申し訳ないけどね」


「大丈夫、私とお姉ちゃんで頑張るからケー兄は料理頑張って」


 前のめりで興奮しながら迫ってくるゆいちゃんに俺は頷くことしか出来なかった。



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