逃げ出したくなる時、ふっと思い出すこと

沼津平成

 

 

 そう、ここは戦場なのだ。凍り付いた世界の中で俺は土下座している。部長の冷たい瞳が俺を見下ろしながら、「本当は、全部俺の犯行なのにな」とかっこつけている。

 畜生、何が「本当は、全部俺の犯行なのにな」だ。お前の犯行ならちゃんと叫べ! 「申し訳ございません俺が戦犯です!」と。よし、礼儀イイ。

 そして、ふっと我に返った。いつも、俺は部長のように、誰かを見下ろしていることがある。もしもこんな自分から逃げ出せるなら豪華なホテルに行って、酒を浴びるほど飲んで、部屋の中でさんざん暴言吐いてやる。

 いつでも、社会に感化されても、創作魂は忘れない。

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