恋の駆け引き


 ある日の昼間の事です。


 みんちゃんは仲良しのゆんちゃんとあるカフェのお茶にやってきました。


「……みんちゃんは本当にたっくんの事が大好きなのね♪」


 ゆんちゃん、ホットコーヒーを片手にみんちゃんから話を聞いてそう声を発します。


「うん♪この前もたっくんね……」


 みんちゃん、満面の笑みでたっくんと色々あった事を話していきます。


 そんな感じでみんちゃんはたっくんの事を嬉しそうに話していきます。


「……そうなのね♪たっくんてば背は高いのに可愛いところがあるわよね♪」


 ゆんちゃん、顔を綻ばせながらみんちゃんの話にそう答えます。


「うん!たっくんは頼りになるところもあるし、背は高くて見た目はカッコイイのだけど、中身はすごく可愛いのです♪」


 あらあら♪みんちゃんてば、惚気話が止まらないですね♪


「でもね、みんちゃん。大好きなら時には駆け引きも必要よ?」


「駆け引き??」


 ゆんちゃんの言葉にみんちゃんは頭にはてなマークです。


「そうよ、みんちゃん。時には相手の気を引くために距離を取ったりするのよ?それが恋の駆け引きよ!!」


 おぉ~!!ゆんちゃん、力を込めてそう語ります!!


「そうなの??」


 みんちゃんには恋の駆け引きというのがよく分からないかもしれないですね。


 そんなわけで、恋の駆け引きの仕方が分からないみんちゃんにゆんちゃんは色々レクチャーしました。


 果たして上手くいくのでしょうかね??



***


 夜になって、みんちゃんはいつものようにたっくんとの夕飯を終えて、お風呂にも入り、いつものようにお布団でまったりとくつろいでいました。


 その時です。


「みんちゃ~ん!眼鏡拭くから持っておいで~!」


 たっくんがいつものように自分の眼鏡が拭き終わって、寝室にいるみんちゃんに声を掛けます。


 みんちゃんの眼鏡もたっくんがいつも拭いていますからね♪


 たっくん、優しいですね♪


 そこへ、みんちゃんがスタスタちたっくんのいるリビングにやってきました。


 そして、たっくんの前でピタッと止まると……、


「今日から自分で拭く!」


と、言って自分の眼鏡を自分で拭き始めました。


「みんちゃん??どうしたの??」


 たっくん、みんちゃんの行動がいつもと違うので頭にはてなマークです。


「たっくん、お風呂まだだから行ってくるといいよ!」


 みんちゃんにそう言われて、たっくんは頭にはてなマークを浮かべたままお風呂に入りに行きました。


 そして、たっくんがお風呂から出て来てみんちゃんのいるリビングに入ってきます。


「みんちゃ~ん!お風呂出たよ~!」


 たっくん、そう言っていつものようにみんちゃんに抱き付こうとしました。


 その時です。



 ――――スー……。



と、みんちゃんがたっくんから離れていきます。


「み……みんちゃん……」


 たっくん、みんちゃんが離れていってしまい、悲しそうです。


 そして、みんちゃんが寝室に入っていったのでたっくんも寝室に入りました。


「み……みんちゃん……。今日はいつものように甘えてこないの?」


 たっくん、いつも寝室に入ると甘えてくるみんちゃんが甘えてこないのでちょっと不安になりながらみんちゃんにそう声を掛けます。


「今日はもう寝る~!」


 みんちゃん、そう言って布団に潜り込んでしまいました。


 たっくんはショックを受けましたが、たっくんも大人しく自分の布団に横になりました。


 さてはて、みんちゃんはゆんちゃんに一体どんな恋の駆け引きを聞いたのでしょうか??


 そして、みんちゃんが布団に潜り込んでいる時です。


 みんちゃん、ふと考えました。


(あ……あれ??ゆんちゃんが時には引くのも大事って言っていたけど……これであっているのかな??でも……でもこんなのって……)


 みんちゃん、お布団の中でパニック状態です!


 そして、お布団から慌てて起き出しました。


「た……たっくん……」


 え?!みんちゃん、泣いていますよ?!どうしたのですか?!


 ですが、みんちゃんのたっくんを呼んだ声が小さかったのか、たっくんの反応がありません。


 たっくんは寝てしまったのでしょうか??


「たっくん!たっくん!もしかして怒っちゃた?!」


 みんちゃん、泣きながらお布団で横になっているたっくんを布団の上から揺さぶります。


「み……みんちゃん……」


 え?!たっくんも泣いていたの?!


「たっ……たっくん?!どうしたの?!」


 みんちゃん、たっくんが泣いていることにびっくり仰天です!!


「今日……みんちゃんが冷たかったから僕の事嫌いになったのかなって思って……」


 たっくん、メェメェと泣きながらそう呟きます。


「違うよ!違うからね!!実はね……」


 そして、みんちゃんはゆんちゃんが教えてくれた恋の駆け引きの話をしました。


「じゃあ……僕の事が嫌いになったわけじゃなくて……」


「ごめんね!ごめんね!たっくんの事は大好きだよ!!だから……だから……嫌いになっちゃヤダ~~~~~!!!」


 みんちゃん、そう言ってワンワンと号泣しちゃいました。


「みんちゃん……」


 たっくん、事情が分かってみんちゃんを抱き締めます。


「たっくん!たっくん!大好きだよ~!!距離を取るなんてヤダ~!!!」


 みんちゃん、たっくんの腕の中でワンワンと泣きながらそう言葉を発します。


 そして、その後はたっくんのお布団でたっくんがみんちゃんを抱き締めながら二人仲良く寝ましたとさ♪



 ちゃんちゃん♪




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