第10話

『おもしろいね』


面接官の顔がニコニコになる。


いいんじゃない?これは好感触なんでは?


そして、いろいろ話した後、最後に聞かれた。



『体調は大丈夫ですか?何か持病があるとか。手術経験があるとか』



…。


そういうのって、面接で聞いていいのか?病気持っているか持っていないかを、面接の判断基準にするのって間違っている気がする。



今まで聞かれた事ないけどなぁ。



(手術経験…中絶…ヂ…)


て、人にどっちも言えないし!




(なんだろ。入社したら調べられるのかな。そんな訳はないと思うけど。ヂくらいは、正直に話した方がいいのかな)



今だに傷痛むし。何かあったら困るしなぁ。



『あのですね…』


私は、腰掛けていたソファーから少し身をのりだした。


そして、ヂの手術をした事を小声で言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る